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2021-04-21 00:00
英米寄りの姿勢を深める産業界
真田 幸光
大学教員
世界には、「情報覇権争い」「通貨覇権争い」が顕在化していると私は認識しています。米中は大人の対応をするのではないかとの思いがあった中、覇権争いが顕在化している背景には、中国本土の文民政権に対して影響力を強める人民解放軍の公安の影響力拡大があると私は見ています。軍人は、私たちとは行動の思考回路が異なるので、何をしてくるか分かりません。こうした覇権争いの中では、裏の裏をかく必要があり、「隙」を作ってはなりません。こうした中、情報覇権争いの主役となる産業界の動向にも関心が集まり、中国本土の情報覇権争いの先兵となっている、「ファーウェイ」やその延長線で通貨覇権争いに影響を与える「アリババ」に対する国際社会、特に、「英米の監視の目」は強まり、それに対して、日本や韓国、台湾の企業動向にも関心が高まっているものと思われます。総じて言えば、韓国勢は中国本土寄りとなっているように見られ、台湾勢は英米寄りになっているものと見られます。そして、体力を落とした日本勢に対して中国本土の「魔の手」が及ぶのではないかと見られているものと私は理解しています。
そうした厳しい状況にある中、日立製作所は3月31日、米国のシリコンバレーのソフトウエア企業であるグローバルロジックを約96億米ドルで買収すると発表、年商の10%を超える金額を投じて、日本の電機業界で過去最高の合併・買収(M&A)案件を実行しました。日本の産業界からは、「日立製作所グループ創業110年の企業の死活を懸けたギャンブルである」と言われながらも、国際金融筋の一部からは、「日立グループは英米寄りの姿勢を明らかにしたと見られる」といったコメントも聞かれています。
また、その日立と共に日本の電子業界の看板企業であるパナソニックは、安定収益源で90年の歴史を誇っていた乾電池事業のうち、欧州での事業を売却、そして、約7,000億円を投じ、サプライチェーン関連のソフトウエア大手である米国のブルーヨンダーの買収競争に参入しました。流通や物流施設用の監視カメラやバーコード読み取り端末で高いシェアを持つパナソニックは、ブルーヨンダーの人工知能(AI)物流分析技術を融合し、物流サービス市場に進出する戦略であり、それを通じ、家電など製造業に偏った事業構造をITサービス中心に転換するという動きを示し、やはり、英米寄りの姿勢を示唆しました。更に、直近では、軍事技術を持つ東芝も英国ファンドの資本参加を模索しています。
日本は、こうした情報覇権争い、通貨覇権争いの中、産業界も英米寄りの姿勢を深めつつあると見られ、私はこれで良いと考えています。但し、もちろん、中国本土の反応とその虎の威を借る韓国と動きには警戒しなくてはなりませんが。
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