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2021-04-16 00:00
(連載1)ミャンマーの春は遠い
岡本 裕明
海外事業経営者
ミャンマー問題が泥沼化しています。2月1日に国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー国家顧問を含む政府の幹部を拘束しました。その後、国軍による度重なる市民への威嚇で死傷者はうなぎのぼりとなっていますが、なぜ、解決策が上がってこないのでしょうか?本論に入る前に、私はアウンサンスーチー氏の手腕について低評価でありました。彼女に国民的人気がある一つの理由は1991年にノーベル平和賞を受賞したことが大きいと思います。国内が貧しく、不安定な中、ノーベル賞受賞者はその国において英雄となるのは自然です。中身はともかく、「偉い人」という扱いになってしまうのです。
政治的背景を理由にノーベル平和賞受賞者が決まることも多い中で、ミャンマーの民主化という明白なメッセージをもったノーベル平和賞は彼女に箔をつけたのです。ただ、彼女の政治家としての手腕は稚拙でありました。いわゆる国民の象徴としての役割に徹すればよかったのです。
2010年に軟禁から解放され、政治活動を再開するわけですが、彼女は憲法59条の「外国とのかかわり」の項により大統領になれません。そこで「自らは大統領より上の存在になる」「新大統領には権限はなく、自らが政権運営を行う」(プレジデント)とするわけです。これはいかにも自分の名声を主体に考えているとしか理解されません。
アウンサンスーチー氏はロヒンギャ問題でほぼ何も解決できず、むしろ世界からは大きな失望を買いました。1989年にアムネスティが彼女に与えた最高の賞である「良心の大使賞」も、カナダで外国人では6人にしか与えられていない名誉市民号も、剥奪されました。欧米社会で「剥奪」ほど厳しい措置はなく、それは「不作為の過失」であります。つまりこの時点で彼女が指導的立場にいることが「失格」という評価になっているわけで同国としては対応を考えなくてはいけなかったのです。ところがアウンサンスーチー氏は居座ったのです。これがこの国を空回りさせた基本的背景であります。(つづく)
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