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2021-04-06 00:00
(連載1)制御不能に向かう世界の財政金融
中村 仁
元全国紙記者
「各国が出し続ける膨大な金額の国債を将来、どう償還するか」は、世界経済の最大の問題です。「中央銀行が保有する国債は帳消しにすることを選択する」との意見書を欧州の経済学者150人が発表しました。世界的なベストセラー「21世紀の資本」の著者、ピケティ氏を始め、独仏伊の学者が共同で提唱しました。日経の記事(4月3日)で、ぎょっとし、「エイプリルフール」記事かと思ったほどです。日経は現実的な提案ではないと考えたのか、小さな扱いです。
パリでは詳細に報じられているのでしょうか。記事では「欧州中央銀行のラガルド総裁は『考えられない』と、議論を一蹴。前例のない提案に各国政府は否定的だ」としています。 本当に「徳政令」をださなければならないほど、財政状態が窮迫しているのなら、個人や投資家は疑心暗鬼になり、国債も株も暴落するでしょう。実際に国債がデフォルトした国として、ブラジル、アルゼンチン、ギリシャなどの例があり、「まさか」とばかりいっていられません。
ネット言論サイト「アゴラ」主宰の池田信夫氏は「経済学的には成り立っても、政治的にはウルトラハイリスクな考え」と指摘します。政権の崩壊は不可避だからです。「すぐにはあり得ない」としても、「国家財政が追い詰められて、そう選択せざるを得ない国がでてくることはあり得る」と考えれば、ピケティ氏らの提唱は「悪魔の選択」として一考してみることです。
最近の世界のマネー市場をみると、「バブルが今にも破裂する」といった警告がメディアに頻繁に現れるようになりました。しかし、いまなお破裂しません。「バブルは崩壊して始めてバブルだったと気づく」という歴史の教訓の通りの展開になるのかもしれません。「世界の株価の時価総額は1・2京円(106兆㌦)で、過去最高。1年で6割も増え、市場では過熱感が強まっている」、「米投資会社のアルケゴスが破綻の危機、金融機関が競うように融資をしていた。邦銀も多額の損失を被っている」。まるでバブル末期の様相です。(つづく)
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