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2021-03-09 00:00
国際女性デーと日本
古閑 比斗志
医師
3月8日は国連が定めた国際女性デーである。1975年国際女性(婦人)年が制定された。我が国では残念ながら国際女性デーそのものが知られていないがモンゴル等、祝日にしている国やイタリアのモミザの日がある。当時は世界中に明らかに人種差別や男女差別が存在したからこそ作られ守り育てられたのである。我が国も可及的速やかに国際女性デーを祝日にすべきである。AIの進歩によって平和が訪れ人々が仕事をシェアしのびのびと生きていくことが出来る世界が理想であり人類は環境を変えることによって進化できる動物である。そこに向かって人類は進化しているのであると私は考えている。
さて、すべての大学入試のAO入試化には私も大賛成である。米国のように入学してから振り落とす方が日本の大学のように合格することが目標であるよりは明らかに良い。医学部はメディカルスクールと言われる通り勉強において自由度がないが卒業生の質を担保するためにはこればかりは致し方ない。申し訳ないが私はノブレスオブリージュを否定するものではないがエリートという考え方自体が嫌いである。エリート=与えられた問題を解決する能力=学業成績で人を区別すること自体が異常である。人はそれぞれ生まれ持った能力が異なるので得意な分野を伸ばすことが一番大切だと考えている。我が国の場合帝国大学は官僚養成機関としての使命を持って作られた。教育制度は幕末から明治時代の欧米列強の帝国主義による弱肉強食の世界で生き残るために西欧に追いつけという号令の下作られたのであった。欧米の大学とは成り立ちが全く異なる。歴史も宗教も社会環境も異なる。米国のエリート校と言われる私立大学群は授業料も高く奨学金がなければ高額のローンを組まなければならない。高学歴でなければ就職もおぼつかない。
私は愛媛大学医学部に1979年入学したが当時の医学部生男女比はおよそ10対1であり、全国的にも男性優位であったため東京女子医大の存在が必要であった。2018年、医学部不正入試問題が明らかになったため、現在は全国81国公私立医学部医学科における男女別合格率が公表されている。そもそも男女受験数母数が異なる(男性受験数>女性受験数)ので一概には比較できないが2020年度入試で女子の合格率が上回ったのは23校。文部科学省から不適切な事案として改善を求められた10校のうち昭和大学と聖マリアンナ医科大学は2年連続で女子合格率が男子合格率を上回った。金沢医科大学は2020年度、順天堂大学、東京医科大学、日本大学、北里大学、福岡大学は2019年度に改善している。医師の残業時間を他の職種と比較してほしい。体力や出産等女性特有の不利な状況を解消すべく国は対処する必要がある。残業のない自由時間が持てるように職場の環境を変える必要がある。今後の医療を維持するためには医学部定員をこのまま維持し仕事をシェアできる状態に医師数を増加させる必要がある。将来的にはベーシックインカムを導入しすべての仕事が週32時間労働力を提供すればよいように目指すべきであろう。
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