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2021-03-02 00:00
中国本土企業のアンフェアについて
真田 幸光
大学教員
中国本土の知的財産権の侵害の問題は国際社会でも常に議論される問題であります。米国のトランプ大統領は正に、「中国本土の知的財産権侵害は国際問題である。」として、中国本土に対する圧力を強めていました。そして、アメリカ人が強く嫌う、「アンフェア」の代表的な行為となる知的財産権の侵害は、自由経済社会を崩壊させてしまう根源ともなりかねません。
しかし、一方でこの、「知的財産権侵害」はきちんと立証していくことが必ずしも容易ではなく、対応が難しいことから、「力と力の対立」を背景として解決に向けた動きを見せることが多く、この米中の知的財産権問題も結局は、「貿易の制裁合戦」と言うがっぷり四つの対決にまで発展していました。今は、「新型コロナウイルス感染拡大」によって、こうした、知的財産権侵害については、表面化して語られてはいませんが、大きな問題を秘めたことであることに変わりないと私は考えています。
さて、こうした中、中韓の企業間で、知的財産権ではありませんが、中国本土企業による写真の無断盗用での問題が、韓国企業から指摘されています。韓国有数紙の一つ朝鮮日報の記事を引用します。「オンラインで開催された世界最大級のデジタル技術見本市”CES”で、中国本土の家電メーカーが韓国・LG電子のローラブル(巻き取り式)テレビの写真を無断盗用したことが分かった。業界によると、CESに参加した中国家電大手のスカイワースが1月13日、自社の有機EL(OLED)製品を紹介するオンライン説明会で使用した新製品の写真のうち、「ローラブルOLED」の製品写真がLG電子の製品と同一だった。LG電子が昨年10月に発売した世界初のローラブルテレビ「LGシグネチャー OLED TV R」の製品写真からロゴを消して使用したものとみられる。業界では、創維数碼が自社のローラブルテレビも商用化が目前だとして、技術力を誇示するためにLG電子の製品写真を盗用したとみている。LG電子は「世界のテレビメーカーのうちローラブルOLEDテレビを商用化したのはLG電子だけだ」とし、「今回の無断盗用に対して強力に対応する」と明らかにした。」と報道しています。
中国本土企業のグローバルマナーを知らない、あるいは知っていても無視する傍若無人な行為はやはり指摘されなくてはいけないと思いますが、「力の論理」の中で、「やった者勝ち」的な振る舞いはほっておくと続く可能性があります。こうした中国本土企業に対しては、目先の損得を考えず、先ずは、「義」を以って対応していかなくてはならないと思います。義を失った世界は、「混沌、そして、混乱、最悪の場合、無政府状態をもたらす」と私は考えています。
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