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2021-02-09 00:00
(連載2)世界の知性21人が問う「国家と民主主義」
中村 仁
元全国紙記者
格差拡大による社会の分断の流れの中で登場したのがトランプ大統領、および熱狂的なトランプ支持者の出現でした。マレーシアのマハティール氏は「レーガン大統領が敷いた路線(1980年)は貧富の格差を広げた。格差に対する反発がトランプ当選(2017年)の一因だ」と。格差問題で、ダイアモンド氏は「先進国12億人の生活水準の平均は、残る65億人の30倍以上。この不平等は先進国にとって脅威である。豊かさを求める移民の大量流入はその一つ」と。国内社会ばかりではく、国際社会における格差の拡大が世界の不安定要因だと考えます
ハラリ氏も大きな歴史の流れを語っています。「第二次世界大戦で全体主義が廃れ、冷戦で共産主義が朽ちた。民主政治と自由経済、それによるグローバル化が支配的制度になった」「それも08年の米国発の金融危機以降、あやしくなった。貧富の格差が拡大し、未来は見通せない」コロナ危機による経済社会の行き詰まりから、矛盾が一気に表面化しています。巨大な規模の財政金融政策にうってでると、マネー市場の「コロナバブル」が膨張し、実体経済との乖離が広がり、格差は拡大する。ニューヨーク株は3万㌦の史上最高値を記録し、日本株も2万8千円で3年ぶりの高値です。1㌦103円で換算すると、ドル建てで日本株は273㌦で、89年のバブル期を超える市場最高値(13日)になりました。
実体経済が低迷する一方、株高・資産高が進めば、富める者はさらに富み、貧する者はさらに貧する。経済格差、所得格差の拡大です。日本は米国ほど富の集中は起きていなくても、解雇・雇止め、廃業、倒産などで、若年層、未熟練労働者、働く母親に重荷がのしかかってきています。非正規雇用者ほど貧困に追い込まれています。ハラリ氏はこうも語っています。「コロナは高失業を招いている。IT化、自動化が一気に進み、失業者の復職先が消滅している。新しい職を得るには、新技術の習得が必須で、大量の労働者の再訓練が必要になる」と。
国会が先月18日に始まりました。経済格差の拡大、転換期のグローバリゼーション、IT化・AI化に対応する就労支援、膨張する一方の財政赤字の拡大と、野党が追及できる問題はいくらでもあります。菅政権のコロナ対策の迷走を追及することくらいしか、今の野党にはできないのでしょうか。(おわり)
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