ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2021-02-05 00:00
(連載1)輪転機は回し続けられるのか
真田 幸光
大学教員
韓国では、与党共に民主党のミン・ビョンドク国会議員が、新型コロナウイルスで被害を受けた自営業者の損失補償関連法案に関して、「中央銀行である韓国銀行が国債を買い取る」とする案を盛り込んだことについて議論が出ています。この提案は、財源調達の為に韓国政府が発行した国債を韓国銀行に直接買い取らせるものであります。
韓国では、これに対して韓国銀行だけでなく経済専門家からも「韓国の対外信用度を低下させる危険千万の発想である」との声が出ています。韓国銀行が国債買受費用として通貨発行を増やせばウォンの価値だけでなく国債の価値が暴落し、国家信用度も低下しかねないと反対をしているのであります。
中央政府が財政運営の為に中央銀行に国債を押し売りするという方策は主要国の大半が行っていません。欧米の主要国はそれを法律で禁止しておりますが、それは上述したような懸念が大きいからです。韓国銀行関係者は、「中央銀行が政府の発行する国債を直接買い取るのは、大半の国で戦争など極めて例外的な場合を除き、実行されていない制度である。米国も1940年代に議会の承認を受け、連邦準備理事会が異例の国債買い入れを行ったのが最後である」と指摘しています。
また、高麗大経済学科のキム・ドンホン教授も、「大部分の国が財政と通貨政策を分離している理由は、政府が財政のために中央銀行の発券力を乱用することを防がなければならないからである。政府の指示通りに紙幣を刷り、国債を買い取れば、韓国の中央銀行、更には韓国の通貨と経済に対する世界的な信頼が崩壊する」と警告しています。韓国政府の強要によって、韓国銀行が通貨供給を増やした場合、過度のインフレが起きかねないこともモノやサービスと通貨の需給関係から見て十分に予測されます。(つづく)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム