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2021-02-04 00:00
(連載2)概説・新型インフルエンザ等対策特別措置法等改正案
緒方 林太郎
元衆議院議員
あとですね、書類を読んでいると、突然、他の指定感染症でも重篤性があり、急速にまん延するものについては、新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象とするという規定がピョコッと入っています。これは今回のCOVID-19とは関係ないのではないかと思います。あまり注目されない規定なのでしょうが、この(強い措置を取る事が可能な)新型インフルエンザ等対策特別措置法のスコープがグンと広がった感じがします。
感染症法の改正については、私が以前から言っていた「保健所間の風通し」の話が盛り込まれました。都道府県の保健所と保健所政令市(や特別区)の保健所との関係が良くない所がたくさんあります。福岡県で言うと、福岡市、北九州市、久留米市の保健所は県の管轄下にはありません。東京都など、すべての特別区と八王子、町田の保健所は都の管轄下にはありません。一時期、都はこれら保健所から情報が来ないので、都が直接病院に電話して情報収集をしていたと聞いた事があります。今回、都道府県内で対策を講じようとする時に、これらの保健所から「何故、あなた方(都道府県)にあれこれ言わなくてはいかんのだ?法的に我々はあなた方の指揮命令系統下には無い」といった感情のほつれが結構ありました。今回、感染症法の改正で、少なくとも保健所政令市や特別区の保健所は都道府県に対して発生状況の報告をする事が定められました。法律を作ったから風通しが良くなるというものではないのですが、少しでも改善につながればと思います。
また、(対象を限定した)入院勧告・措置に従わなかったり、積極的疫学調査に応じなかったりした方には「罰金」が定められています。行政罰の「過料」と違って、こちらは刑罰ですので「前科」が付きます。その他、都道府県知事が国の言う事を聞かない時に指示が出来るとか、医療機関が協力的でない時に(従わない時の見せしめ付きで)勧告できるとか、結構強い規定が入っています。これまで起こった様々な事に対する現政権の苛立ちを感じさせる内容です。
総じて感じるのは、地方分権型の新型インフルエンザ等対策特別措置法の骨格は崩さないようにしながらも、国が口を挟める範囲を広げようとしている、ただ、それと同時に都道府県知事の権限もかなり広がり、強化されているという事です。今後、各都道府県の判断が今にも増して重要になって来るでしょう。(おわり)
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