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2021-01-23 00:00
(連載2)日韓大陸棚南部協定が抱える問題
緒方 林太郎
元衆議院議員
これだけだと陳腐な内容なのですが、もう少し続きがあります。実はこの地域の大陸棚については、1978年に発効した日韓大陸棚南部協定というのが現在も有効です。これは当時大揉めに揉めました。当時の国際法では、相対する国の間で大陸棚を分ける時は「自然延長論」が主流でした。したがって、日本は中間線から日本にせり出した部分だけを共同開発区域とする事で合意しています。当時、国会審議では「不平等条約ではないか!」という議論がかなり行われています。したがって、この条約は効力を50年とし、3年前から終了を通告する事が出来る事になっています。
そして、国際法の主流はその後変化しまして、今は「中間線論」が主流になっています。国際法の考え方が変わったのには、海底地形の複雑さ等から自然延長論が適当でないケースが世界のあちこちで出た事も背景にあると思います。近年の大陸棚の議論は「まず、中間線を引いてそこから交渉」というのがスタンダードです(何が何でも中間線で引かなくてはならないという事までは国際法は言っていません。あくまでも「まず中間線」というのが交渉のスタートという事です)。
なので、2025年以降2028年までの間に日本政府は判断を迫られます。今の(旧中間線から日本側だけが割を食っている)南部協定をそのまま延長するのかどうかという事です。それに加えて、恐らくなのですが、南部協定を合意した際には肥前鳥島は基点に入れていないと思います(この点を確認したいのですが、正直な所、合意文には共同開発鉱区のエリアしか書いていないので、何処が基点となっているかは条約文からは分かりません)。仮に現行の南部協定を終了させ、再交渉するのであれば、日本側はそもそも基点そのものを見直す所から交渉をする事になります。
長らくこの南部協定については「時限爆弾」的な所がありまして、私が外務省条約課課長補佐の時も「2025年には判断しなくてはならない」ときちんと理解していました(が、当時はまだ「20年先の話」と思っていました)。色々な複雑な要素が絡みますが、私は2025年以降2028年までの間の何処かで南部協定の終了を通告して、きちんと交渉に乗り出すべきだと思います。(おわり)
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