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2020-12-02 00:00
(連載2)バイデン政権誕生で日米関係は安定か
真田 幸光
大学教員
一方、既得権益層と既得権益層に近い富裕層の白人層は、トランプ大統領を嫌い、選挙資金を、「He is not Trump」即ち、消去法でバイデン候補に集めていきました。こうしたことから、選挙戦終盤には、トランプ大統領陣営の資金不足が顕在化し、選挙戦苦戦の一つの背景となったと私は見ています。しかし、トランプ大統領の苦戦の大きな背景としては、「新型コロナウイルス対策の失敗などにより、女性票をトランプ大統領が失ったことにある。」と私は見ています。実際に女性はバイデン56対トランプ43となったと報告されています。この差が大きかったのではないでしょうか?
最後に、今後、バイデン政権が成立するであろうことを一応前提として、今後の世界を予想して終わりたいと思います。まず、今後も上院を共和党が抑えるとすると、内政では民主党らしい政策は実施できず、右にも左にも触れていくことは叶わないと思われます。一方、外交のあり方は相当変わるものと予想され、例えば、パリ協定・WHOはすぐ復帰、また、中国本土が四年前の世界秩序に戻ることに基本的に協力する姿勢を示せば、中国本土に対しては融和的な姿勢を示してくる可能性はあると思います。また、日米関係も、トランプ大統領のような意外性は減るであろうと予想されることから、日本にとっては、日米関係だけ見れば、安定性が相対的には高まるのではないかと予想されます。更に、大航海時代以降からの既得権益層が多い欧州との関係も基本的には改善していくものと思われ、伝統的な米欧関係が戻ることによって安定的に推移してくるのではないでしょうか。
一方で、こうした米欧接近により、例えば、反ロシア政府のリーダーであるナリヌワイ氏暗殺未遂事件を背景とした米欧のロシア制裁が強化される可能性があるなど、ロシアはバイデン政権発足に対しては警戒を示すものと思われます。また、トランプ大統領と接近して中東地域に於ける影響力を強めてきていたイスラエルも後ろ盾を失い、梯子を外される危険性を感じている可能性があります。
問題は中国本土であります。まず、中国本土は誰が米国大統領になろうと、米国を警戒していると思われる中、先ずは、「米国自身の二極化による混乱」と、「米国の国際社会に於ける相対的な影響力の低下」を最大限活かして、中国本土の覇権を少しずつ強めてくる可能性は十分にあるものと思われます。特に、「人民解放軍」に軍事的覇権の拡大を意識した動きが見られると、中国本土の先ずは東アジア地域に於ける脅威は高まるのではないかと予想されます。尚、統制国家色を強める習近平政権に対する危惧を示す中国本土勢力の中には、今、混乱している米国大統領選挙に水面下で関与し、習近平政権に対して、相対的には強い圧力を加えるであろうと予想されるトランプ大統領の再選に向けた援護射撃をしようとしていると言った情報もあります。いずれにしても、今回の米国大統領選挙は、米国に、そして世界全体に、今まで以上に大きな影響を与えると予想され、大いに注視したいと思います。(おわり)
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