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2020-11-27 00:00
(連載1)菅総理「温室効果ガス50年にゼロ」について
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
菅内閣になって初めての臨時国会。「所信表明」の中で見えてきたのは「コロナウイルス禍下の経済復興」である。「温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにする」という宣言がそれを示している。基本的にはEUでは2030年にガソリン車の新車の販売が禁止される。中国でもそうでありアメリカも一部の州でそのような話になってくる。おそらく、2030年代の後半には、ガソリン車が走っていると、「発展途上国」扱いされてしまうのではないか。それはすなわち、日本メーカーのグローバル市場からの脱落を意味するだけでなく、アメリカや中国などに国内市場をも奪われる可能性をも意味する。
さて、ゼロ・エミッションがどうして経済の活性化につながるのかということを考える。温室効果ガスを実質ゼロにするということは、もちろんガソリン車がなくなるという話だけではないのだが、自動車産業で考えるのが一番わかりやすい。たとえば、ガソリン車がなくなるということは、すなわち「ガソリンスタンドが不要になる」ということである。もちろん、2030年時点では新車販売が制限されるだけなので既存の中古車等はまだ流通し続ける。それに化石燃料を要するのは自動車だけでなく、建設重機などの産業機械も同じことだから、しばらく需要は残ると思うが現在のような大掛かりに、それも24時間いたるところでガソリンを供給するような業態は成り立たなくなるだろう。当然に化石燃料を運ぶ船やタンクも少なくてよいということになる。そのためガソリン車を前提にした社会インフラが全て縮小するということになるのである。
逆に、電気自動車が多くなるということは、そのまま、電気の使用量が多くなるということであり、またガソリンのように保存がきかなくては使い勝手が悪いから大容量の蓄電システムが必要になってくる。すなわち、「電池交換(もしくは急速充電、常時給電などいろいろあろうが)ができる自動車」が必要になってくるということになり、新規の開発や工場のラインの設置、研究開発など経済的な活性化が見込まれる(企業にとっては負担かもしれないが)。
そのうえ、ガソリンスタンドがなくなるということは、ガソリン車の利用は不便になるわけだから、現在の自動車を持っている人々の買い替え需要が多くなる。もちろん個人レベルでは、それを機に自動車の所有をやめる人もいると思うが、それでも多くの人は買い替えをするだろう。ましてや自動車を商用利用する企業は、業務用車両、トラックやバスなどの規制に対応して買い替えなどの対応をすることになる。(つづく)
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