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2020-10-22 00:00
(連載2)米大統領選と対中感情の奇妙な不一致
倉西 雅子
政治学者
そして、莫大なチャイナ・マネーは、アメリカを全体主義に静かに染め上げてゆくことでしょう。経済のみならず、あらゆる面において中国はアメリカ国民を直接に脅かす存在となりつつあるのですから、今般の大統領選挙は、アメリカの未来を決する転換点ともなり得るのです。こうした状況からしますと、高率の対中感情と高率のバイデン候補支持率とを示す世論調査は、真逆とも言うべき‘ちぐはぐ’な結果のように思えます。
自らの立場を曖昧にしてきた中国が、遂にバイデン候補への支持を表明したとも報じられておりますように、バイデン政権の誕生は、アメリカにおける親中政権の誕生を意味しかねません。少なくとも、オバマ前政権にあって副大統領を務めたバイデン氏の子息であるハンター氏が、投資事業にあって中国利権を有していたことは明らかです。親と子は違うとする責任分離の弁明もありましょうが、ハンター氏が中国利権を獲得したのはバイデン氏が副大統領として訪中した際の出来事ですので、むしろ、公職を私的に利用していたバイデン氏の姿が浮かび上がるのです。
興味深いことに、高い反中率を示す一方で、アメリカ大統領についてはバイデン候補の当選を望むという矛盾とでも言うべき態度は、世論調査によれば、アメリカのみならず、欧州各国でも共通に見られる現象だそうです。アメリカ国民の多くが、自国における親中政権の誕生を望んでいるとしますと、それは自滅行為ともなるのですが、アメリカ国民は、トランプ大統領の人柄や振る舞いを嫌うばかりに中国を利し(確かに、同氏に対しては眉を顰める人々の気持ちも理解できる…)、国際社会における中国の横暴を許してしまうのでしょうか。
前回の大統領選挙でも、大方の予測に反してトランプ大統領が当選しましたが、今回も選挙の結果は、蓋を開けてみなければ分からないかもしれません。何れにしましても、アメリカ国民の選択が、中国を援けることがないよう祈るばかりです。(おわり)
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