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2020-09-29 00:00
(連載1)中国共産党、第19期5中総会を10月末に開催
松本 修
国際問題評論家(元防衛省情報本部分析官)
1 はじめに
中国共産党は9月28日、習近平総書記の主宰で政治局全体会議を開き、第19期中央委員会第5回総会(第19期5中総会、中国語では「十九届五中全会」で以下5中総会と記述)を10月26~29日に北京で開催することを決定した。5中総会の議題は、2021~25年の経済・社会政策を方向付ける「第14次5か年計画」と2035年までの長期目標に関する党中央の建議に関する討議である。以下、5中総会に関する注目点などを紹介したい。
2 これまでの経緯
(1)5中総会の開催に関しては、7月30日に開かれた政治局全体会議で既に10月末と決定されており、具体的な日程が注目されていた(8月30日付拙稿参照)。また、過去の5中総会の議題をみると、経済・社会政策を方向付ける「5か年計画」の討議がメインであり、今期の5中総会も、この流れを踏襲したものと言える。しかし、以下述べるように特異な動向もみられた。
(2)政治局全体会議3日前の9月25日、習近平総書記は「インターネットを利用した、第14次5か年計画編成に関する意見聴取と建議は史上初のことである」とし、「こうした活動の効果は良好であり社会の関与度も高く、建設的な意見と建議が多数提起された」と強調したのである。しかし、習総書記の意見聴取はこれだけに止まらず、早くも7月21日に北京で著名な企業家(資本家)座談会を開くと、28日には非共産党員ら党外人士座談会も開き第14次5か年計画編成について意見を聴取していたのである。この流れは、習総書記が地方視察に出ても変わらず、8月20日の安徽省視察時には「長江デルタ地帯」(安徽省、上海市、江蘇省、浙江省等)一体化発展座談会を開き、帰京後の24日には経済社会領域専門家座談会を主宰して意見聴取を継続した。9月に入っても習総書記は、11日に北京で著名な科学者座談会を開くと、17日の湖南省視察時には一転、現地の農民や労働者、教師など基層代表座談会を主宰して広範囲にわたる意見聴取を行ったのである。このように習近平総書記は、7月以降6回の座談会開催とインターネット活用で長期間、かつ広範囲にわたる意見聴取と建議を受け付けたことになり、今回の経済社会発展計画策定に対する習総書記の努力と熱意は尋常なものではないと言える。
3 他の特異事象等
(1)まず軍の動向であるが、「楊家将」楊白ヒョウ(にすいに水)生誕100周年記念座談会をめぐる事象については既に書いた(9月9日付拙稿参照)。その後の報道状況をみると、元総政治部主任(現在は政治工作部主任)であった楊の存在は今回、公布された「軍隊党建設条例」に関連がある模様である。「新時代における軍内党建設の基本となる拠り所」とされる同条例の原点は2018年8月に開かれた中央軍事委員会主宰の軍隊党建設会議であるとされ、公布を報じた9月11日以降、解放軍報は「軍隊党建設条例」に関する論評を6本掲載し「党の人民軍隊に対する絶対的な指導」や「頑強な軍内党組織体系の鋳造」、「全面的に厳格な党管理に基づく厳格な軍管理の推進」等本年8月にも懸念された軍内の「非党化・非政治化・国家化」傾向や、習近平中央軍事委員会主席の「軍権」保持をめぐる異論の存在をうかがわせるものとなったことから、今後5中総会に至るまでの軍の動向には注目を要する。(つづく)
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