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2020-09-16 00:00
(連載2)総裁選で「浮いた」人「沈んだ」人
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
さて、今回、深刻なダメージを受けたのは石破氏だ。「4回総裁選に出て勝てなかった」し、「誰にも勝てなかった」からだ。また投票行動においても、今回は菅氏が石破を抑えるために、岸田氏に対して票を貸したという見方が出ている。真相はどうかわからないが、何れにせよ「当確の菅氏以外に投票するにしても石破氏には投票しない勢力」が大きかったということが明らかになった。このような負けっぷりでは、水月会(石破派)は、今後もうだつが上がらないであろう。石破派は求心力が衰えて、「これ以上冷や飯を食えない」と離脱者が出てくると見ている。
石破氏が「嫌われる」理由は、今回の総裁選でたびたび話題となっているが、少なくとも、人望がない、裏切る、人情や義理を欠いている、というような話は平河町では聞かれる評判であり、裏打ちするエピソードも事欠かない。前回2018年の総裁選で、安倍首相に対抗するために石破氏を支持した経世会(竹下派)が、今回全く石破氏になびかなかったのは、評判を裏付けるものであろう。
他方、岸田氏が浮上したことで、もう一人沈んだ人がいる。宏池会の林芳正氏だ。林氏は2012年の総裁選の時に、安倍、石破、町村、石原と代議士が並ぶ中、唯一参議院から立候補した総裁候補であった。それくらいの力があったにもかかわらず、なぜかその後「岸田氏が浮上」してしまい、宏池会の中では徐々にその存在感が損なわれるばかりか、途中で女性スキャンダルまで出てきてしまった。
今回の総裁選で、もしも岸田氏が石破氏に負けて3位になっていたら、宏池会内で一気に林芳正が求心力を取り戻したかもしれない。まあ、地元である山口県内の選挙区では、「安倍派」と「林派」は二人の祖父の代からの因縁がある。安倍晋三氏は総裁を退いたとはいえまだ力を残すだろうから、林氏の浮上の目はないと言える。いずれにせよ8月16日の組閣を待ちたい。様々なことがまた深く言えるのではないか。(おわり)
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