ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2020-09-15 00:00
(連載1)総裁選で「浮いた」人「沈んだ」人
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
昨日、9月14日、自民党の党大会が催され、菅義偉官房長官が新総裁に選出された。9月16日に特別国会が開かれ、菅氏は内閣総理大臣に指名される。「菅義偉新総裁」に注目する投稿は他の人がするだろうから、あえて2位・3位またはそのほかの菅氏を支持した人々がどう動いたのか見てゆこうと思う。さて、今回の総裁選の流れを見てみよう。
8月28日に安倍首相の突然の辞任会見の直後には、麻生太郎副首相に臨時代理をさせることで乗り切るという話もあった。だが、まず麻生太郎氏が出馬しない意向を出した。大本命がいなくなってしまい、臨時代理の話がなくなってしまった。すると、石破茂氏、岸田文雄氏、河野太郎氏、下村博文氏、野田聖子氏、稲田朋美氏、西村康稔氏などが出馬の意向を示し、さながら、百花繚乱の様相となった。
自民党の総裁というのは、事実上内閣総理大臣と同一人物であるため、同視されがちだが、性格に違いがある。前者が「政党の顔」である一方で、後者は「政府の顔」である。野党の党首が政党の政策決定を主に司るのとは異なり、与党第一党の指導者は総理大臣としての職務を専らとするため、政党の指導者としての仕事は幹事長に任せることになる。また、自民党でいえば、党の政策は基本的には各部会で決定するので、総裁の政策感と幹事長が主導する党の政策感が異なることは往々にしてある。そのため、いざとなれば「選挙の顔」ではあるものの「政党の政策立案の中心」という意味合いは少ない。
日本の首相選びというのは、そのような性質の帰結として、「順序」や「派閥」の論理などからくる制度外の複雑な選出プロセスが生じてくる。当初は上述の百花繚乱の出馬表明が聞かれ、石破茂氏と岸田文雄氏の一騎打ちになるという予想が多く語られたにもかかわらず、麻生副総理の推薦を端緒に菅義偉官房長官の安倍体制継承という流れが生じ、総裁選のはるか前から選挙戦が事実上「終戦」したのには、このような背景によるのである。シンプルに見れば、今回は「出馬を準備していた岸田、石破」と「急に出てきた菅」という特色があった。ここで、自民党議員や党員たちが「安倍首相の7年8か月の継続性」を重視したいと考えたために、安倍政権下での自民党の隆盛を維持したい主要「派閥」の支持を固めた菅氏が無難に選ばれたということになる。インパクトの弱い岸田氏では安倍総裁の党勢を再現できず、また石破氏ではあまりにも変化がありすぎる、と「順序」が動いたのだ。(つづく)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム