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2020-08-21 00:00
(連載2)米副大統領候補の人選から学ぶ日本の政治人材の貧困
中村 仁
元全国紙記者
直接選挙の米大統領選と、間接選挙の日本の首相選びを、同列に論じることはできないにしても、今回の米大統領選は日米の政界構造、政治体質を考察する絶好の機会のはずです。日本のメディアは、そういう視点で論じることはまずしない。各紙を見ても、米国だけのことしか書いていない。米国のことは米国駐在の記者が書くとはいえ、米国を論じるのが精いっぱいなのか。ワシントン支局に配属されている政治部記者は、それができるはずなのにしない。政治家、政党と一体化し、いわば政界のインサイダーに陥っていることが多く、問題提起をしたがらない。さらに日本のメディアは、独特の体質を持っています。経済、社会がグローバル化しているのに、役員も記者もほとんどが日本人という特異な企業体です。タレントを使ったり、外電や外国人識者の寄稿は使ったりしても、外国人を記者として採用し、彼らの目で記事を書かせることはしない。
日本の世襲主義の政治は、外部からの政治人材の流入を阻んでいます。海外の情報はありあまるほど取り入れるのに、外国人をジャーナリストとして採用しない。戦後70数年、全国紙はずっと数紙のまま、地方紙は一県一紙のままという閉鎖的な空間です。新陳代謝がなく、外部からの新規の参入もありませんでした。
米国の話に戻ります。ハリス氏は、法科大学院を卒業して、カリフォルニア州の地区検察官を経て、州の司法長官、さらに17年に上院議員になり、そして今回の大役です。地方で経験を積み、上院議員や知事になり、国家の中心のワシントンを目指すという流れは日本の参考になります。
日本でも、新型コロナウイルスの危機で、連日のように、地方知事、市長らの活躍が報道されます。知事らには多彩な人材が存在している。そのこと教えてくれるのは新しい発見です。危機対応の力量の比較もできる。知事らにケチをつけることに励む識者が目立ちます。当選を重ねやすい小選挙区制と、政治家業化した世襲政治の弊害を打破する上で、彼らが中央政界に参入し、新風を吹き込んでくれることを期待します。そうした議論が起きてほしい。(おわり)
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