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2020-08-18 00:00
(連載1)政府が進める「日の丸」ビジネスについて
真田 幸光
大学教員
日本のスポーツの世界では、しばしば、「侍ジャパン」のように、「全日本で頑張ろう。」というチーム組成がなされます。オリンピックや世界選手権が国単位で実施されていることの反映ですね。また、社会主義・共産主義国家では、主として計画経済の流れの中で、国営、国有企業が、国の支援を背景にして、ビジネスの世界でも、「国家単位」でのチーム組成がなされ、ビジネス展開がなされていくこともあります。これは体制の違いから生じることでありましょう。
しかし、これが時々、自由主義経済社会と言われる国にも見られており、例えば、フランスでは、一部基幹産業は、国の管理の下で動いており、法的にこれを規制してはいません。そして、それは我が国・日本も同様のようであります。雇用機会造成と将来の税収拡大を期待して、「オールジャパン」で企業活動を支援することもあります。
例えば、国鉄の流れを組むJRグループのリニアモーターカー開発の実態的な流れを見ていると国の関与が見え隠れします。さて、そうしたプロジェクトの他に、今、注目されているのは、「民間航空機開発」ではないでしょうか。その開発を主として進める三菱航空機のプロジェクトに今、支障が生じ、赤字も雪だるま式に膨らんでいることは皆様のご高尚の通りであります。三菱航空機の親会社、三菱重工業の業績報告書によれば、スペースジェット事業の赤字は2018年の852億円から昨年は2,633億円に拡大し、今年は要員、費用を大幅に削減し、赤字を圧縮する計画ですが、それでも1,300億円の赤字が予想されています。最近3年間の赤字だけでも4,785億円に達しており、スペースジェットの業績不振で、日本の産業界の中核企業たる三菱重工業も、昨年は、20年ぶりの赤字に転落しています。
採算性に対する懐疑的な見方はこれまでもかなりあり、ホンダグループなどは、小型ジェットに特化した動きを示してきましたが、三菱航空機は、「民間航空機市場は長距離国際線を中心とする中型・大型機(130席以上)と相対的に短距離を飛ぶ小型機(130席未満)に分かれるが、スペースジェットは小型機の中でも座席が100席以下のリージョナルジェットに属し、リージョナルジェット市場は民間航空機市場の5%に過ぎないが、それでも日本政府の思惑も背後に受けて、小型旅客機を足掛かりに航空機市場全体を育てることを目指し、市場への新規参入を試みた。」と見られています。(つづく)
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