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2020-07-21 00:00
(連載1)虚偽を解明する「ファクト・チェック」を推進せよ
中村 仁
元全国紙記者
「何が本当か」「どちらが正しいのか」。メディアが流すニュースに接していると、こうした判断がつきかねるケースが増えています。メディアは情報を急いで流していればいい時代から、情報の評価を伴うニュースの伝達が不可欠な時代に変わりました。米国では、SNSで投稿への監視機能を強化する姿勢に転換を始めています。ツイッター社やフェイスブック社は、政治家や政治関係者の発言であっても、投稿削除や警告表示をする場合があるとしています。米国紙は、辛辣な解説、論説、オピニオンをどしどし掲載し、ニュースの評価を下しています。
日本の場合は、チェックや評価は後回しにして、情報を流すのが原則ですね。対立する動きの報道は慎重で、両論併記をしておけば責任を問われない。社説は社会に判断材料を提供するのが使命なのに、「議論を深めてほしい。丁寧に説明を」と書いて終わりといった傾向が目立ちます。7月16日の各紙朝刊を読んでいて、「明らかにどちらかが間違っているか、ウソをついている」としかいいようのない記事が多く並んでいました。もう少し、踏み込んだコメントやファクト・チェックがほしいものだと、読者は不満でしょう。
まず、安倍政権が力を入れている観光支援策「Go To トラベル」です。小池都知事が「今や感染拡大警報の状況」と発言し、野党は「コロナ感染が拡大しているのに、観光を奨励するのは間違い。コロナが収束した後に支援策を実施するとの閣議決定がある」などと、批判しています。これに対し、西村経済再生相は「5月25日に緊急事態宣言を解除した。その時は、流行を収束させたと判断している」と、答弁しました。これは苦し紛れの弁明で、ウソでしょう。観光支援策が問われているのは、現在の感染状況です。新聞には「賛否が激しく割れている最中に、先を急いでやるべき事業ではない」と、はっきり書いてもらいたい。
新聞は何か見解を表明する際は、社説の場を選ぶ。次々に新しい動きが出てくる時代に入ったのに、いまだに社説至上主義をとっています。社説に頼っていたら、タイミング失するし、本数も限られる。争点になっている情報には、簡潔に意見を述べるミニ解説を添えたらどうだろう。コロナ対策分科会の尾身茂会長は「旅行自体が感染を起こすことはない。旅先で3密状態の会食、集会などが感染を拡大する」と、16日に述べました。そうなのでしょう。西村氏はなぜ「あの時は収束と判断した」などと、口走ったのか。首相の指示待ちで、事実を言えなかったのでしょう。(つづく)
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