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2020-06-27 00:00
(連載2)世論調査と投書欄に新聞の活路あり
中村 仁
元全国紙記者
今国会で、安倍政権は検察庁法の改正(検事総長、高検長の定年延長)法案を強行採決しようとしました。政権擁護派の黒川東京高検長の例外的な定年延長に連動した案件です。ツイッターでは600万もの抗議の声が上がりました。官邸は「連続投票プログラムで押し上げられているだけ」と軽視していたところ、新聞・テレビの世論調査で政権支持率が急落して仰天し、廃案にしたのです。これだけ商機が見えているのですから、もう少し、ネットと世論調査を連動させ、情報社会の動向を探れるシステムを考案したらいいのにと思います。
ネット社会を最も嫌っていた読売新聞が「9月入学で賛否揺れた学生/ツイッターを本社とNTTデータが分析」(18日)という大きな解説記事を掲載しました。やっとネット社会の影響力の強さを認識したのでしょう。単なる解説記事とどめず、もっとビジネス化したらいいのにと思います。
次が投書欄の活用です。朝日は「声」(オピニオン欄)、読売は「気流」という名のコーナーです。朝日は大きなスペースを割き、政治、社会問題など10本程度の投書を載せています。読売は身辺雑記的な投書が多く、充実しているとはとてもいえません。知人の弁護士が何度か投書したのに、いつも採用されないと嘆いていました。どうも社論からはみ出た投書が排除されているうちに、無難な声ばかりになってしまった。お茶の間型の緊張感のないコーナーです。欧米の新聞のオピニオン欄は政権への鋭い論評をどしどし載せています。
一方、専門家が回答する「人生案内」(人生相談)というコーナーは長寿企画です。人生案内もネットで受け付けるようにし、それへの回答もネットで紹介する。専門家ではない一般の人の回答にも、面白いものがあれば新聞社側が選択して掲載する。どうでしょうか。(おわり)
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