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2020-06-20 00:00
(連載2)ニッポン株式会社に淘汰が起こるのか
岡本 裕明
海外事業経営者
レナウンがスポンサーを探しています。確か、1カ月程度で見つけてくると民事再生の申請の際、インタビューで述べていたと思います。業界の人は同社に投資したくなるブランドがないといいます。つまり、その会社しかない個性や強みがなければ忘却の彼方となるのです。日本の大企業が世界で羽ばたけなくなった理由の一つに長引く低金利があります。しかも大企業ほど有利な条件で借り入れできるという背景こそが日本企業をダメにしたとみています。日本は倒産を嫌います。理由は従業員の食い扶持、それと貸し手である銀行の都合です。しかし、ほとんどタダのようなお金を銀行から借りてそれでも成長できないならそれは競争力が全くなかったわけでコロナでようやく背中を押してくれたと考えるべきなのです。
「甘えの構造」(土居健郎著)は1971年発刊の日本人論の名著の一つですが、今の日本の社会はまさに体裁を繕う銀行と企業の「甘えあい」の関係にあるのです。「金利低くするから持ちこたえてね」なんです。一方では、「いきなりステーキ」のペッパーフードサービスが仕入れ先の社長個人から20億円借りたことが話題になっています。銀行が甘えさせなかったのは新興の成り上がり企業に雨が降ってきたから傘を奪い返したというところでしょう。池井戸潤氏の小説のようなものです。
つまり、これは日本の金融業界は付き合いの長さを信用という尺度にする傾向があることを示しています。付き合いが長くなるほど審査が甘くなる傾向があるのは、失敗したときに資本の厚みでカバーできるかという資金回収の目線だけで考えているからでしょう。金利は低いけれど保守的という経営姿勢は普通預金に1億円預けているようなものなのです。
私はかねてから日本の大企業病を指摘してきました。しかし、低金利という環境と金融機関と大企業のもたれあいというふたつの要素が、真綿で自分たちの首を締めるものなのに、それに気がついていない会社だらけであります。レナウンの次がどこかはわかりませんが、私にはこれが序章にしか思えないのです。世界の中で生き残るためにニッポン株式会社の構造的変革が果たしてできるのでしょうか?心配でなりません。(おわり)
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