ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2020-06-08 00:00
(連載1)WHOは何処に向かうのか
倉西 雅子
政治学者
アメリカのトランプ大統領はWHOからの事実上の脱退を表明し、両者の決裂は決定的となりました。最大の拠出国を失うわけですから、WHOの財務が悪化することは必至なのですが、先行きが不透明化する中、テドロス事務局長は、WHO独自の財団の設立を打ち出しています。
同財団について、テドロス事務局長は、WHO独自の財団設立構想は、アメリカとの対立による資金不足を直接の原因としているのではなく、同局長が2017年の同ポスト就任以来温めてきた長期的な制度改革の一環として説明しています。拠出金の80%占める任意拠出金ではその使途が特定の事業に限定されているため、WHOが柔軟な対応、あるいは、独自性を発揮することはできないそうです。比較的裁量度の高い残りの20%の予算も加盟国の拠出金に依存しており、同局長としては、財団を設立することで個人や企業などからの寄付金を募り、資金調達の裾野を広げたい、ということなのでしょう(もっとも、この説明が正しいとは限らない…)。
しかしながら、このWHO財団の行方、中国がテドロス事務局長の後ろ盾である点を考慮しますと、悪い予感しかしないのです。そもそも、中国はWHO予算への貢献度は極めて低く、アメリカと間には雲泥の差があります。任意拠出金だけを見ても僅か0.21%に過ぎないのですから(アメリカは凡そ15%)。
その一方で、SARSなどの他の感染症を含め、新型コロナウイルスの震源地となった中国は、同機関から長期にわたって多大な恩恵を受けてきました。つまり、WHOを介してアメリカの予算が中国の感染症対策や公衆衛生の向上のために費やされる、という構図が長らく続いてきたのです。(つづく)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム