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2020-05-13 00:00
(連載2)「ハンコ」出勤だけではない、デジタル化の隠れた課題
緒方 林太郎
元衆議院議員
つまり、今後、電磁的記録による作成される文書が増えていくと仮定する場合、印紙税収入がどんどん削られていく事になります。ただし、上記の政府答弁は以下のように続いています。
「印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税であるところ、電磁的記録については、一般にその改ざん及びその改ざんの痕跡の消去が文書に比べ容易なことが多いという特性を有しており、現時点においては、電磁的記録が一律に文書と同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていない。」
上記の答弁書が出されたのが、平成17年。残念ながら、これが現時点でも有効な見解です。今から15年前は「デジタル化された文書なんて、法的安定性に欠ける。」という事で、今のような世の中を全く想定していません。印紙税法の規定がデジタル化を想定していない事が問題の根源にあり、政府見解もそれに応じている中、時代と技術の進展に政府見解がマッチしなくなっています。
上記答弁書が出て15年。その間の時代の流れに政治は「不作為」で後れを取りました。例えば、最近、デジタル預金通帳が普及しつつあるのですが、その背景には利便性の向上以外にも、課税文書に位置づけられている紙の通帳の印紙税負担が銀行業界全体で約700億円にものぼり、それをデジタル化することで回避しようとしている、という裏があります。ハンコ文化を変えようとするのであれば、こちらも真剣に考える必要があるでしょう。(おわり)
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