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2020-04-13 00:00
(連載2)自衛隊における統合機動司令部の常設
佐藤 有一
軍事評論家
最近、沖縄県警が離島への不法上陸などを取り締まるための国境離島警備隊を発足させました。尖閣諸島への不法上陸などへの対応を想定したものです。この警備隊の離島への輸送では海上保安庁と、事態のエスカレートへの対応では自衛隊との相互連携が必要となるでしょう。さらに海上保安庁においても尖閣諸島の警備のための同様な特殊部隊が創設されるならば、警察・海保・自衛隊(統合機動部隊)が連携した防衛行動はより確実なものになるはずです。自衛隊・海保・警察の相互連携を確実なものにするためには毎年の定例的な共同訓練だけでなく、随時の実戦的な共同訓練が必要と思います。そのためには互いの組織内に連絡要員を常駐させ情報交換することが不可欠であり、この時点からすでに共同訓練が始まっているとも言えます。
実戦に近い効果的な訓練をするために、統合機動部隊内に敵側の役割を担うアグレッサー部隊を設けることを提言します。アグレッサー部隊が場所と日時を予告しないで上陸・侵攻を行い、防衛側は哨戒・偵察によりこれを発見して対処するという訓練は統合機動作戦能力を強化するのに有効であるに違いありません。グレーゾーン事態での部隊の事前配備と警察・海保との連携、さらには事態がエスカレートした段階での自衛隊の行動、警察・海保との共同訓練を含めた実戦的な訓練と準備、日米安保にもとずく米軍との連携などを実現するためには、統合機動司令部が常設されるべきであると思います。
現時点においても自衛隊法に基づいて、有事に統合任務部隊を編制することができます。北朝鮮の弾道ミサイルに対処するために統合任務部隊が編制されましたが、短期間で解散しています。このような一時的な編成でなく、常設部隊を一元的な指揮下に置く統合機動司令部の設立が望まれます。離島の防衛については既に陸上自衛隊に水陸機動団が発足しています。統合機動部隊が常設されたならば、この水陸機動団はその中核となることでしょう。
統合機動司令部は防衛大臣の補佐と指揮・命令の執行を任務としている統合幕僚監部内に配置するべきです。なお、陸海空自衛隊の運用全体を一元的に指揮する統合司令部が新設されるならば、統合機動司令部はその直下に置くべきです。統合機動司令部が常設されるならば、わが国の海岸域と島嶼部の防衛のために選別された陸海空自衛隊の統合部隊を編成・統合指揮する司令部機能が実現し、日本の安全保障の向上に寄与するはずです。(おわり)
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