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2007-06-21 00:00
フランスのサルコジ政権、対中武器禁輸解除に慎重姿勢
西川 恵
ジャーナリスト
フランスのサルコジ政権が欧州連合(EU)の対中武器禁輸にどのような態度をとるか、日本にとっては大きな関心事だが、シラク前政権の禁輸解除路線が修正される可能性が強いと思われる。
サルコジ大統領は公式的には欧州連合(EU)の対中武器禁輸政策についてまだ態度を明らかにしていない。シラク前大統領時代のフランスはEUの中では解除派の最右翼で、その論拠は、(1)発展する中国を他の禁輸国であるジンバブエやソマリアなどと同列に扱うのはおかしい、(2)禁輸政策を解除したからといって野放図に輸出が行われるわけではなく、武器輸出規制細則でチェックされる、というもの。しかし以前はフランスとともに熱心な解除派だったドイツが、社民党のシュレーダー首相からキリスト教民主党のメルケル首相に交代して以降、解除慎重派に転換し、解除派は事実上、フランスだけになっていた。
サルコジ政権が前政権の対中武器禁輸解除路線を修正するとみられるのは、ドイツも姿勢を転換したいま、解除に固執してEUの中で突出することは、日米などの反発等を考慮すれば、必ずしも外交的にプラスとならないとの判断がある。輸出市場として中国は魅力だが、一方で高級ブランドなどの知的財産権の侵害はフランスにとって深刻で、中国の衣料品の集中豪雨的な流入による企業倒産もあって、中仏関係も簡単ではなくなっている。さらにサルコジ大統領は人権に敏感で、外相にもやはり人権派で知られる社会党のクシュネル元保健相が任命された。シラク前大統領のように人権に目をつぶっても輸出を図るという姿勢はとらないだろうとの見方が強い。
フランスが対中武器禁輸解除派から慎重派に軌道修正すると、積極的な解除派はいなくなる。このためEUの対中武器禁輸政策は当面続くことになろう。
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