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2020-04-07 00:00
(連載1)次の「リーマン」は民間セクターではなく国家か
真田 幸光
大学教員
人間社会は、「信用」に基づき成立している。経済社会も当然に、「信用」に基づき成立している。その「信用」を生かして、経済社会を適正に発展させていく一つの手段に、「信用創造」がある。逆に、ひとたび、信用が損なわれると、「信用収縮」が起こり得る。特に、信用が急激に損なわれる事態となると、社会はその急激な「悪化」と言う事態に対応しきれず、「経済破綻」をする危険性も出る。
現行の通貨は、有形資産の裏付けはなく、各国の国力と言う無形資産を拠り所として発行されているとも言える。従って、国力を大きく落とした国の通貨は基軸通貨やその他通貨に対して通貨安となり易く、また、究極では、そうした国は、事実上の「国家破綻」をしてしまう。アルゼンチンやブラジル、或いは、タイやインドネシア、韓国、そしてギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリアなどが最近では国家破綻した例として挙げられる。
日本円は、日本の総合的な国力以上に通貨供給量を増やしても、米ドルと同様、今のところは、「円の暴落」には幸いにも至っていない。しかし、円は基軸通貨そのものではない。その為、「比較的安心安全の通貨・円」と言う国際金融市場での神話が崩れると、円の暴落を招く。その際には、「円安、株安、国債の暴落」と言う三重の苦難に直面する危険性がある。そうした意味で、ここ数日続いている、「円高にはなかなか向かわない」という状況にやや危惧を感じる。
現状の世界を見ると、実体経済を1とするとその約20倍前後の資金が国際金融市場でフローしている。一般的には、実体経済を運営するのに必要な資金は実体経済の3~4倍あれば充足できると見られている。従って、20―4=16の資金は実体経済の発展には、直接的には必要のない資金と見做される。この16倍もの資金は、「投機資金」となり易い。欲深い世界の投機家たちは、信用があるから資金を借り入れられると言う優位な立ち位置を生かして、自ら借金をして投機をするという禁じ手、キャリートレードなるものを展開している。それによって、本来経済社会を少しずつ発展させていくことに使われるべき信用創造をレバレッジをかけて必要以上に行ってしまい、世界経済の本来の実力以上に、資金が国際金融市場を駆け巡る状態を作ってしまったのである。(つづく)
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