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2020-03-18 00:00
(連載2)急激に収縮する「信用」
真田 幸光
大学教員
ところで、リーマンショックは、「民間セクターの負債過多」が引き起こした事態と言えます。そして、リーマンショックと言う金融危機を改善しようと、各国政府が財政出動を伴う景気対策を打ち、日本を含む先進国の財政は更に傷みましたが、何とか、世界経済は回復しました。こうして考えると、今は、「公的セクターの負債過多」の状況となっていると考えられます。この間の一時期、ギリシャ財政危機や欧州財政危機などのピンチもありましたが、何とかその危機を乗り越えて今日に至りました。しかし、今回、新型コロナウイルによって、これが弾けると、「公的セクター」が本格的に、世界的に痛む訳ですから、リーマンショック以上の悪影響、例えば、回復に時間がかかる、と言った事態となることは必至であります。そうなれば、国家に対する不信感が強まり「比較的安心安全通貨神話」を持つ円までもが暴落してしまい日本経済はいよいよ「株安、国債暴落、急激な円安」となり、日本の国家経済運営が滞る危険性が出てきてしまいます。本当に一大事です。
しかし、上述したシナリオは全て、「不信感、不安感の連鎖」から発生するものであります。従って、不信感、不安感の連鎖が起こらなければ、上述したような悪い事態は、顕在化しません。更に突き詰めて考えれば、今回の不信感、不安感の根源となる、新型コロナウイルスの封じ込めさえ出来れば、今回の危険は回避されるはずです。だからこそ、私はその根源的対策となる、新型コロナウイルスの何たるかの科学的検証を行いつつ、ワクチンの早期開発とその大量生産に一定の目途さえついてくれば、国際金融市場の不安も払しょくされると考えています。
しかし、これに手間取ると金融危機は最悪な状況にまで落ち、もしくは金融危機にまでは至らなくとも国際金融市場の回復に相応の時間がかかると考えています。一方、実体経済について考えると、新型コロナウイルスの封じ込めに成功しさえすればマスクもトイレットペーパーなども心配しなくてよく、検査キットの開発は不要です。金融の問題が長引いていなければ、不安が払拭され、「ひと、もの、かね」が動き出し、実体経済の回復は思ったよりも早くなると私は見ています。だからこそ、今すべきは、「世界が力を合わせてワクチンを開発すること。」これに尽きます。そして一言、新型コロナウイルスの問題を政治利用することは言語道断です。
尚、私が認識しているところでは、中国は今「ワクチンの早期開発」に全力投入しているはずです。そして、一部には「中国がワクチンを世界に先立って開発し新型コロナウイルスから世界を救った、との論理展開を行う作戦に出る」のではないかとの見方も出てきているのであります。日本は、世界は、今、瀬戸際に来ています。混沌は深まるばかりです。(おわり)
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