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2020-03-17 00:00
(連載1)急激に収縮する「信用」
真田 幸光
大学教員
新型コロナウイルスの悪影響は甚大です。そして、私はその根源として、「不信感というウイルスが世界の人々の心に伝染、蝕んでいる」と見ています。言うまでもなく、私たち人間社会は「信用」によって成り立っています。しかし、疑心暗鬼が続く社会にあっては不安、不信が先行します。平時には、「信用創造」と言う手段によって経済社会は拡大します。ところが、この十数年は、「人々に借金をさせて消費や投資をさせる」という行き過ぎた信用創造によって、実体経済を上回る資金が市中に放出されています。
特にこうしたバブル経済下では、景気先行きに対する期待感などを中心とした「Market Perception」の良さに釣られて、投機性資金が先進国株式市場に大量に流れ込み、株価が押し上げられるのであります。そしてなお先行き期待が高まる状況にあると、投機家は借金をして元本を更に膨らませて投機をしていくという「キャリートレード」を推進していきますから、株価はぐいぐいと引き上げられていくことになります。
ところが一転、今回のような不信感、不安感がひとたび発生すると、株式投資に実損が出る可能性が高まりますから投機をしていた株が売られ、この結果、株価を下げながら借金は返済されていくのであります。このように、不信感や不安感は株売りを誘導し負の循環が拡大してしまいます。上述したMarket Perceptionの悪化が、こうした事態を引き起こすのであります。こうした中、米国の中央銀行に当たるFRBは、金融市場に、「安心感」を齎そうとして、更なる利下げ、事実上のゼロ金利政策を発表しました。しかし、それでもこの不信感は止まっていません。FRBとしては異例の思い切った予防的オペレーションでしたが、この「のりしろ」を早くも一気に使い果たしてしまったために、先進国株市場の負の連鎖はいよいよ止まらず、「急激な信用収縮」に入ると見られ始めているのであります。
そして、そうなると先進国株式市場に流入していた「投機性資金」は一旦市場からほとんど全て逃げ出します。即ち、少なくともリーマンショック時の水準までの株価水準に落ちる可能性が大となります。これを、数値で示すと、日経平均株価は7,000円前後、米国ダウは8,000米ドル前後を覚悟せざるを得ない状況です。これはもう金融危機といっても良い状況です。(つづく)
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