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2020-03-10 00:00
(連載1)'パンデミック'の責任はWHOにもあるのでは
倉西 雅子
政治学者
中国で新型コロナウイルスが蔓延し始めた当初、WHOは、‘未だにパンデミックの状態ではない’としていました。初期段階にあっては同ウイルスの世界規模での感染拡大は見られず、確かにパンデミックを称するにはその要件を満たしているとは言い難い状況にありました。しかしながら、全世界で10万人に迫る感染者数が報告されている今日に至っても、WHOのテドロス事務局長は、パンデミック宣言を控えています。この見解、国際的な防疫を任務の一つとするWHOの見解にしては、あまりにも心もとないように思えます。
放置すれば周囲に伝播する拡大性において、火事と疫病には共通点があります。火事ではときに都市全域を焼き尽くしますが、火元はたった一人の火の不始末だったというのもままある話です。すなわち、最初に一杯のコップの水で火を消し止めておけば、被害を最小限に留めることができたのです。疫病もまた同様であり、感染者が少数の内に封じ込めておけば、感染の連鎖を止めることができるのです。
適切な初期対応がその後の運命を変える点を考慮しますと、WHOの対応には疑問が残ります。そもそも感染症の性質上、全方位的に延焼する状態に至った時には時すでに遅しだからです。そしてこのチャンスを逃しますと、二度と封じ込めはできません。WHOの態度は、専門機関であれば十分に予測し得た未来にも関わらず、あまりにも慎重すぎました。
初動体制の不備が、中国のみならず、日本国政府に対する最大の批判点になっているのも、WHOと同様の誤りを犯したからに他なりません。火事であれ疫病であれ、連鎖的に拡大する災害は時間との闘いを強いられます。このため、拡大期間を意味する‘時間’を軽視したり、時系列上の対応順序を間違えたりしますと、被害は際限なく広がってゆくのです。(つづく)
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