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2020-02-17 00:00
(連載1)米中貿易戦争、中国が「敗北」する5つの理由
加藤 成一
元弁護士
米中両国は、貿易問題をめぐる交渉で先月中国による米国産農産品の大幅な輸入拡大などを盛り込んだ第一段階の合意が成立し、2月6日正式な合意文書に署名した。その結果、2月14日よりそれぞれ関税の一部引き下げが行われた。しかし、中国における新型コロナウイルス肺炎の感染拡大により、景気が減速すれば、第一段階の合意の履行が困難となり、第二段階以降の交渉進展の見通しは立たなくなるであろう。中国による知的財産権侵害の問題、米国企業への技術移転強要の問題、国有企業保護の問題など、多くの解決困難な諸問題が残されているのが現状である。
そもそも、「米中貿易戦争」の本質は、単に、米国の対中巨額貿易赤字削減の問題以上に、知的財産権などハイテク分野での世界的覇権を狙う中国に対する、米国の安全保障を含む深刻な危機感に裏打ちされた構造的問題である。中国はファーウエイなどハイテク産業の振興を図る国家戦略「中国2025」に基づき、米国の技術覇権に挑戦し、これを超克する姿勢を見せている。
このため、トランプ政権は、中国による知的財産権の侵害、米企業への技術移転強要、国有企業への政府補助金投入、などの不法・不当・不公正な取引慣行などを重視し、これらの禁止や是正を求めて輸入中国製品に対して概ね25%の制裁関税をかけたのである。もとより中国側も米国産農産品等に報復関税をかけた。
中国は、知的財産権などハイテク分野で覇権を握ることによって、GDPで米国を追い抜き、さらに、サイバー攻撃や、宇宙空間も視野に入れた先端ハイテク兵器の開発により軍事面でも米国を超え、早晩、西太平洋での制空権・制海権の掌握による当該領域における軍事的覇権を狙っていることは明らかである(太平洋二分割論)。(つづく)
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