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2020-01-23 00:00
インドの「魂を巡る闘争」
真田 幸光
大学教員
インドのモディ首相が打ち出した国籍法改正案が、インド各地で国民の怒りを買い、激しい抗議運動を引き起こしています。これにより、安倍首相のインド訪問も事実上、見送られました。それほど、インパクトのある動きであったとも言えます。
さて、インド国内の中心は、ご高承の通り、「ヒンドゥー教徒約80%」であります。そして、絶対数は多いものの、インド国内でのシェアが低いのは、「イスラム教徒約14%」であります。そして、イスラム教徒は、辣腕・モディ首相が示したこの国籍法改正によって、「インドに於いての自分達の身分が引き下げられ、インド国内では、自分達が二級市民になるのではないか?」との懸念を深めています。
これに対して、インド政府は、「今回の国籍法改正により、イスラム教徒がインドへ難民としてやって来ることを制限・禁止することになるとしても、そもそもイスラム教徒は、自国において、宗教上の迫害など受けていないではないか。」と反論し、その怒りを収めようとしています。即ち、モディ首相は、英国が英国のアイデンティティを守るとの選択し、BREXITを決定したように、「インドのアイデンティティを守る為の措置」との姿勢を示し、今回の国籍法改正案を提案しています。こうしたことから、「インドの魂を巡る闘争が始まった。」とも見られているインドの情勢分析には引き続き留意していきたいと思います。
尚、このインドと言う国には、「インド独立に向け、インド人を日本が助けてくれた。」との認識を持つ人がいることを私は認識しています。そして、その恩返しをするとし、第二次世界大戦後の極東国際軍事裁判に於いて、裁判官の一人となった、ヒンドゥー法を専攻したインド人裁判官であるラダ・ビノード・パール氏は、日本人の極刑を回避すべく、「平和に対する罪と人道に対する罪は戦勝国によって作られた事後法である。事後法を以って、人を裁くことは国際法に反する。」と堂々と主張、頑張ってくれたとの歴史があることなどを背景として考えると、日本としては、中国本土、韓国など以上に、緊密な外交関係を持つべき国は実はインドであると私は考えています。
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