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2019-12-17 00:00
(連載1)香港人権民主主義法がもたらす効果
倉西 雅子
政治学者
アメリカでは、議会両院での可決の後、トランプ大統領が速やかに署名を済ませ、香港人権民主主義法を成立させました。共和・民主の与野党とも同法案に対する立場に違いがなく、議会での採決に際しては上下両院共に凡そ全会一致で可決しました。
同法をめぐる政界の動きは、中国の暴力主義的な弾圧姿勢に対して批判的なアメリカ国民の世論をも強く反映させているのでしょう。大統領から一般市民に至るまで同法を支持するアメリカに対して、中国側は内政干渉として報復を示唆しました。しかしながら、アメリカに打撃を与えるような具体的な報復策が存在するわけでもなく、中国側が窮地に陥っているのが実情のようです。
同法を機に米中交渉が決裂して困るのは、凡そ全ての中国製品に高率の関税が課される中国側です。トランプ大統領としても、人権や民主主義といった価値観の問題に敏感なアメリカ国民の世論が大きく反中に傾く中、何としても中国との合意を成立させようという意欲はありません。中西部の農業地帯が同大統領の支持基盤であるとはいえ、中国への大豆輸出がご破算になったとしても、健康食品としての大豆需要の世界的な高まりを受け、代替輸出先を見つけることに多少は楽観的になっているのでしょう。
また、米中交渉が成立したとしても、これを以って同法が廃止されたり、無効化されたりする可能性はなく、中国を取り巻く状況が好転するわけでもないのです。つまり、中国は、米中交渉を‘報復手段’として用いることはできないのです。(つづく)
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