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2019-11-25 00:00
(連載1)防波堤論に見る韓国外交の破綻
倉西 雅子
政治学者
韓国の文在寅大統領は、GSOMIAの失効を直前に破棄の延期を決定しました。一先ず同協定の枠組が維持された日本国内のメディアでは安堵感が広がると共に、これを機に、安全保障分野における日米間の協力体制を再構築すべきとの主張も見受けられます。しかしながら、文大統領の韓国防波堤論からしますと、こうした楽観的な期待は幻に終わる可能性が高いのではないかと思うのです。
韓国防波堤論とは、‘韓国は、中国、ロシア、並びに、北朝鮮の軍事的脅威から日本を護る防波堤の役割を果たしており、日本は韓国の負担を考慮し譲歩すべき’とする文大統領の持論です。一見地政学的見地から説得力がありそうですが、そのようなことはありません。明治以降に日本は大きくは日清戦争、日露戦争および2回の世界大戦を経験しており多くの人的犠牲を払いましたが、朝鮮半島が防波堤として直接的に日本本土に寄与したといえるケースは見当たりません(解釈によるところもあるかとは思いますが)。
この論を最初に唱えたのは文大統領自身ではないとのことですが、このように歴史的に朝鮮半島が日本本土の’防波堤’としての役割を果たしていたかというと疑問符が付きますし、交戦距離が長大となった現代において韓国が日本を守っているという主張はそういう側面がないとは言いませんが、少々過大評価ではないでしょうか。
とはいえ、日米中露などの国々が地政学的要衝として長年朝鮮半島を見てきたことは確かで、韓国防波堤論が文在寅大統領の中で自国を優位な立場に置くことができる有力なカードであってもおかしくはありません。GSOMIAを外交カードとして使っている文大統領の姿は、端から見ますと‘火遊び’をしているように映りますが、文在寅大統領からすれば自分なりの’論理’の裏付けがあっての行動なのかもしれません。(つづく)
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