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2019-11-22 00:00
(連載2)官僚の疲弊を招く国会質問
中村 仁
元全国紙記者
通産官僚から参院議員に転進し、現在は慶大教授の松井孝治は、「官僚の劣化を考える」(日経新聞・経済教室、8/6)のシリーズで、同様の指摘をしています。霞が関(官僚)の国会対応事務の変化についてこう書いています。「近年の野党対応の急増は官僚の徒労感を加速させている。官僚答弁は急速に減少し、国会論戦は対首相・閣僚質疑が中心にと、変貌した」「野党は官僚に罵声と資料要求の嵐を浴びせかける」「このままでは霞が関(官僚による政策機構)が維持されるとは思えない。」厳しいですね。
松井氏は一つの提案を書いています。「官僚は政策立案・分析に注力する」「与野党の議員側は国会調査スタッフ、政党シンクタンクを充実させる」と。専門的な能力や経験を持った官僚を、議員の質問取りのために遅くまで待機させ、その答弁を深夜までかかって作成させている愚に怒っています。こうした人材の無駄使い、時間の空費が日本経済の停滞の一因になっているし、国会の機能低下を招いているともいえます。
上記のネットメディアの指摘によると、台風19号が襲来する前夜の10月11日、「森議員の質問が来ないので答弁が作れず家に帰れない」と、官僚を名乗る怒りの告発がツイッターなどで相次いだそうです。例の野党議員は、国家戦略特区ワーキンググループの座長代理、原英史氏に関する問題で国会質問をしようとしていました。その原氏との間でも対立しており、「間違いだらけの情報をツイッターで流した」「国会での名誉棄損、プライバシーの侵害」などと、原氏は主張しています。
さきほど紹介したコラムで、退官した厚労省官僚が「的を射た政策論議ならまだしも」と、嘆きましたね。池田氏曰く、「生産的な国会審議をすべきだ。そのカギは野党が握っている」と。メディアはこんな時こそ、主要国における国会審議を取材し、日本と比較した記事を書くべきでしょう。国際部の記者が駐在先の日本大使館に出向している官僚に話を聞けば、「日本の国会審議は揚げ足取りで時間を空費している」くらいのことはすぐに指摘してくれるでしょう。(おわり)
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