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2019-11-06 00:00
(連載2)「任命責任を問う」とはなにか
中村 仁
元全国紙記者
毎日新聞の社説は「虚しく響く任命責任」という見出しで、「第二次安倍政権以降、閣僚の辞任は9人目。首相はそのたびに任命責任は私にあると、謝罪を繰り返してきた」と、強調しています。では、新聞が考える「任命責任を問う」とは何なのか全く示されていない。それに触れない社説こそ、虚しく響くのです。
政治家が負うような責任といえば、刑事責任(刑法)、民事責任(民法)、公選法や政治資金規正法違反、不透明な政策・意思決定に対する説明責任、秘書の行動に対する監督責任などがあります。これらは、定義することができ、多くは罰則もあります。結果が悪ければ、退陣する「結果責任」というのもあります。
政官財と並び称される3つの業界の責任のとり方は密接な関わりを持っている一方で結構違います。まず、財、すなわち民間企業ではどうでしょうか。民間企業では、責任を問われたらただではすみません。巨額の赤字決算、経営目標の達成失敗などで、「経営責任を問う」といわれたら、すなわち代表取締役が辞任して責任を取るということです。役員らの不祥事があれば、「任命責任」を果たすために、経営トップも報酬削減を自らに課すことがありましょう。次に官、すなわち官僚の責任の取り方は、曖昧でずるいです。そして最後に政官財の中で、政が最も責任を取りません。
もっとも「メロンや香典」問題で首相が辞任するというのもばかげています。では、政界はどうしたらいいのか。第一に、首相に「任命責任は自分にある」と意味のないことを言わせれば「一本とった」と思い込む悪習から野党は抜け出すことです。メディアも「任命責任は重い」などという空疎な主張はしないことです。「メロンや香典」疑惑を知りながら、閣僚に任命したと批判するなら、まずその事実の発掘を深くやってみることです。(おわり)
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