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2019-10-22 00:00
(連載1)文大統領は何を考えているのか
岡本 裕明
海外事業経営者
今カナダでは、慰安婦像の問題は収まっており、水面下での動きも見られません。理由の一つは、韓国が国内問題でそれどころではないこと。もう一つは、同様の人権問題としてカナダでも話題になったいわゆる「南京大虐殺」問題に関して、その記念日を制定する運動が立ち消えになったことです。
それでは、南京問題がなぜ立ち消えになったかですが、一つには安倍首相と習近平国家主席の昨年秋の会談で中国の姿勢が180度方向転換されたことにあるのはほぼ間違いありません。これは活動の最前線にいた私の肌感覚ですが、まさに「あの時を境に」という感じでした。もう一つはカナダで南京問題の旗振りをしていた香港系の議員や活動家が香港での民主化問題に直面し、日本との昔のことに構っていられない状況になったことも手助けしています。同様に韓国も確かについ数か月ほど前までは対日問題で大爆発していましたが、不思議と慰安婦問題など歴史問題への追及はあまりありませんでした。なぜならば、それ以外の事象に目線が移ってしまったからであります。つまり、そこから目を遠ざけさせる事案があるので韓国内の歴史問題の優先度が下がり、日本に火の粉がかかってこなかったのです。
ご承知の通り、韓国では目線は対日通商問題から韓国国内問題に移りました。チョ長官(法務大臣)の任命問題であります。なぜ、韓国でこれがここまで問題になり、文大統領は政治生命に影響を及ぼすかもしれないリスクをとってまでチョ長官を指名したのでしょうか。これには、韓国の検察制度そのものに問題があります。韓国では、検察の下に警察機構があり、検察は警察力を支配する圧倒的権力を保持しているのです。ですので、「その構造を改革しなくてはいけない」と文大統領は以前から公約のごとく主張していたわけです。ちなみに、韓国では大統領も圧倒的権力を持っており、ある意味今回の戦いは権力者同士の頂上決戦のようなものです。
それでも、検察改革というものは文大統領の政治生命を賭けるほどのものなのでしょうか。文大統領は自分の任期終了後のことを考えたのではないかと私は疑っています。韓国では、大統領経験者が逮捕されたり自殺に追い込まれたりと、並一通りではない末路をたどるケースが多く見られるのですが、文大統領はその背景に検察力があると考えており、その解体的組織改革を図ることで自らの将来の地位を確保せんとしている、という見立てです。(つづく)
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