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2019-10-11 00:00
対外発信は対象の対日認識を踏まえよ
真田 幸光
大学教員
私は、第二次世界大戦を日本と直接戦った米国、米国民の中には、特攻隊に象徴されるように、「死を覚悟してまで行動する日本人の行動様式が、論理的には理解しにくく、従って、日本人に対しては、ある種の脅威を感じる」と未だに見ている人が多いと考えています。因みに、当時の日本の特攻隊と同様、自爆テロを繰り返すイスラム過激派にも同様の危惧を米国は持って見ていると考えています。従って、日本、日本人としては、米国、米国民に対して、今現在の日本をもっと正確に理解してもらう必要があり、そうした良い意味での「日本宣伝活動を展開する」ということこそが、真の日米関係構築には不可欠であると考えています。
時、正にインターネットで情報が容易に手に入るようになった時代でありますから、様々な角度から、真の日本の姿を米国はもとより、世界全体に発信していくことの必要性を感じています。そしてまた、韓国や中国本土はこうした現在の情報化時代を活用して、世界に対して、時に、「日本批判」の宣伝活動をも行い、世界の中で日本を意図的に孤立させようとする動きを示すこともあり、そうした意味からも、更に、日本は真の日本を発信することに注力すべきかと思います。
こうした中、「アメリカ合衆国の人達は日本にどのようなイメージを抱いているのだろうか。」ということを念頭に調査した、日本の外務省の2018年12月発表の、「米国における対日世論調査」等を中心に見てみると、次のような言葉で総括できるかもしれません。即ち、日本に対するイメージとして、アメリカ合衆国の一般人が捉えている姿は、「豊かな伝統と文化を持つ」が7割超え、「経済力・技術力が高い」、「自然が美しい」の3項目が過半数を示しています。そして、「アニメ・ファッション・料理など新しい文化を発信」、「生活水準が高い」となっており、「保守的で閉鎖的」、「理解が難しい」、「軍事的」、「警戒を要する」などのネガティブな回答はさほど多くないとも見られています。大分、日本に対する米国一般市民の警戒感は薄れているのでありましょうか。次に、日本文化のどのような点に興味があるのかを問うとそのトップには「日本食」が来ています。日本食がアメリカ合衆国にも浸透しているようであります。私にとって意外なのは、「アニメや漫画よりもむしろ、盆栽や茶道、書道のような、日本古来の娯楽に高い関心が集まっていること、そしてアニメ、ゲームや漫画などの値が低いということ」であり、これは、むしろ、米国一般市民も真の日本、日本人を理解しようとしているとも見てとれます。ある意味では、良い傾向であると私は考えます。
そして更に、前述したように今後、日本が日本の対外アピールを考慮・考察する際には、日本人からの視点では無く、こうした米国を中心とした世界の対日意識をしっかりと現状認識した上で、展開していくべきであるとも改めて感じた次第であります。
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