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2019-09-26 00:00
(連載1)西サハラとマグロの意外な論点
緒方 林太郎
元衆議院議員
先月末に行われた第7回アフリカ開発会議(TICAD)。私は第2回の時、ある大統領のリエゾン(連絡要員)をやりました。詳細は言いませんが、チェース・マンハッタン銀行の帯の付いた100ドル札100枚を目の前にしながら、「さて、どうしますかね?」と大手百貨店外商担当の方と悩んだのを思い出します。
さて、最近のTICADと言えば、隠れたテーマとして「西サハラ出席問題」というのがあります。多分、分かる人は殆ど居ないでしょう。「西サハラ」とは、モロッコの南西部にある地域で大半はモロッコが実効支配しているのですが、長年の独立運動がありサハラウィ・アラブ民主共和国(なお、以下では「西サハラ」と記述。)という国として独立宣言をしています。モロッコはこれを一切承認していません。
しかし、実は西サハラはアフリカ連合(AU)の正式メンバー国です。何の留保もなく、他のアフリカ諸国と対等にAUの会合に出席する権利を有しています。日本は長らくあまり西サハラ問題には関心を有していませんでした。モロッコの「おまけ」くらいの感覚で、後述の事件までは、そもそもまともな担当者すら居なかったのではないかと思います。一方、私は20年前のセネガル在勤時から関心を持ち始め、それ以来、ずっと西サハラ・ウォッチャーです。
平成29年、日本が南部アフリカのモザンビークで主催したTICAD(アフリカ開発会議)の閣僚会合で事件が起きました。西サハラ「政府」代表団が会議場に押し掛けて来て、「アフリカの将来を語る会議に、AU正式メンバー国である西サハラを参加させるべきだ」と主張したのです。当然、実効支配しているモロッコは大反対。結局、モザンビーク閣僚会合はこの混乱で終始してしまいました。その後、昨年の東京での閣僚会合では、AU代表団の一員という位置付けで西サハラ「政府」代表団は出席していました。そして、今回の横浜TICADでは、日本が招待したという形にせずに、TICAD共催者のAUによる招待という事でブラヒミ・ガーリー西サハラ「大統領」は出席していました。河野外相は、自身が議長を務めたモザンビーク閣僚会合が大荒れになったので、相当に慎重に本件に対応した事を窺わせます。(つづく)
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