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2019-09-19 00:00
(連載2)香港の学生さんは‘ペン’を磨いて
倉西 雅子
政治学者
未来を閉ざされる危機に直面している香港の学生さんは、授業のボイコットを以って抗議の意思を表明しております。日本国では、学生運動が盛んな時期に学生生活を送った人々は、闘争に明け暮れたために他の世代と比較して知識や学力において劣ってしまったという苦い経験をしております。
この悪しき前例からしますと、授業ボイコットは自らを傷つける行為となるのですが、インタビューに答えた学生さんの‘勉強しても自分たちに未来はない’と語る姿を目にしますと、言葉を失い‘授業ボイコットはやめた方がよい’とは言えなくなります。そして、授業ボイコットを続けるにせよ、止めるにせよ、ペン、即ち、知力を以って北京政府に勝つ努力、つまり、暴力に打ち勝つだけの知力を磨くことだけは続けていただきたいと願うのです。
それには、一党独裁体制が、何故、自由・民主主義に劣るのかを精緻に分析し、誰もが納得するように共産主義を丁寧に論破する必要があります。ソ連邦の崩壊等が既に示すように、その実証は、それほど難しい作業ではないはずです。否、議論しては敗北が確定的であるからこそ、北京政府は、自らの体制維持のために‘ペン’ではなく‘剣’を使おうとしているのかもしれません。また、北京政府の暴力を効果的に封じ、香港を第二の天安門としないためには、如何なる方法があるのか、具体的な作戦や戦略を練る必要もありましょう。
『リシュリュー、あるいは陰謀』では、‘ペンは剣よりも強し’と述べた後、そのセリフの最後を‘そんなもの(剣)がなくとも国家は救われる!’で結んでいます。劇中におけるシチュエーションとは異なるものの、学生さんのそして一般市民の知力こそが、香港を暴力の危機から救うかもしれないと思うのです。(おわり)
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