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2019-09-10 00:00
(連載2)香港は「アジアのシリア」になるのか
岡本 裕明
海外事業経営者
少なくとも香港で今後起きるであろうことは、香港の個人資産の急速な世界分散です。親戚等に頼ったり、華僑ルートをたどったりするものと思われます。一国二制度と言っても真綿で首を絞めるような中国政府の態度を市民が信頼しなくなっており、香港人は自衛的手段に走るとみています。(ちなみに中国本土の人は、「同じ中国なのにずるい」という不公平感を持っています。)
一方、近頃の暴徒化したデモですが、私は60年から70年の安保の動きと重ね合わせていました。60年安保は日本共産党、企業の組合、学生運動がほぼ歯車を同じにして戦いました。ところが過激化した学生に共産党と企業の組合が距離を置き始め、全学連のように一部の学生が原理闘争を求め、その手段を選ばなくなったことで世間の支持を得られなくなりました。私が恐れているのは香港の学生等若者がこの原理闘争に走っていった場合、歯止めが利かなくなり、香港政府および中国政府と決定的な対決になりやしないかという懸念です。
私は、香港のデモはそろそろ一旦下火になると考えています。理由は9月に入り、人々が平常のライフに戻るからです。暑い時期を避けた観光客も増えてきます。その中で一部の若者が暴徒化すれば、それは香港警察および中国人民軍が出てくる口実を作るだけになるでしょう。
香港問題を複雑化させる原因の一つは、根本的解決案が現時点で何もないに等しく、香港政府も傀儡であって何の役にも立たないというところにあります。デモに訴えても壁の向こうの相手が民主的ではなければ、その声は跳ね返ってしまいます。人々の自衛がどのように展開するのか、世界は見守っています。(おわり)
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