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2019-08-30 00:00
G7で何が話し合われたのか
赤峰 和彦
自営業
フランスのビアリッツで主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開催され、これにあわせて25日には日米首脳会談が開催されました。メディア報道では会談の本質がわかりづらいので、筆者が情報筋から知り得た情報を提供したいと思います。
全体的にメディアには、反トランプの偏向報道が目立ちます。日米首脳会談の記事では、あたかも日米首脳間に亀裂が生じているような表現が多く、悪意が混じっているのは明らかです。ただこれは、G7関連に限った話ではなく、トランプ大統領関連の報道は、ネガティブな報道ばかりです。イギリスのトランプと言われたボリス・ジョンソンが首相になったことで注目を集めた米英関係に関しては、トランプ大統領とイギリスの首相が同類で仲が良いような報道も多いです。しかし、実際のところは、当のトランプ大統領はイギリス首相に対し「礼儀知らずの下品な奴だ」だという判断をしているようで、これは情報機関の調査情報を入れた上でのトランプ大統領独特の勘の良さがあるようです。
G7では貿易についても話し合われましたが、トランプ大統領は世界の貿易を再構築するためにG7の枠組みを利用することには消極的です。EUやイギリスは、経済レベルでみても協議を行う相手国として優先度が低いのです。他方で、対日交渉についてはかなり積極的です。トランプ大統領としては、TPPには簡単に戻ることが出来ないのですが、妥当性の高い日本主導のTPP基準に合わせる形で、TPPに戻った場合に準じた恩恵を受けようということで、日米二国間貿易交渉が妥結しました。これは単に日米貿易交渉の妥結と言うだけではなく、明確に日米中心の経済秩序の構築に成功したということです。中国の一帯一路計画が頓挫しようとしている中、強力な連携が組まれたわけです。当然のことですが「TPP参加国+アメリカ」は軍事的には中国包囲国家網であることは確かです。余談ですがこの枠組みには韓国は含まれていません。韓国の政権が交代した時点で参加させるか否かの検討をするようです。日米政府による「韓国への経済封鎖計画」は文政権が続く限り目立たぬ形で進められるようです。
日本では、大量の中国向け米国産トウモロコシを日本が引き受けたことが大きなニュースになりましたが、トランプ大統領のツイートにある「トウモロコシ云々」はアメリカ国内の農業従事者に向けての大統領選用のポーズです。日米首脳会談において目を向けるべき最も重要なテーマは、米国産シェールガスの輸出についてです。これが実現すれば中東地域の情勢は一変するからです。背景としては、アメリカが自国の石油とシェールガスの産出量を拡大することで原油価格を引き下げようという意図があります。それが奏功すれば、世界の原油価格を押し下げ、アラブ諸国をはじめ原油中心で国家経済を支えてきた国々に混乱を引き起こすでしょう。サウジアラビアが原油一辺倒からIT先進国に生まれ変わろうと急ぐのはそのためです。ソフトバンクの孫社長などもサウジアラビアとの共同事業に莫大な投資を継続しています。同じ石油産出国でも先進的な感覚の国家が生き延びるのではないでしょうか。
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