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2019-08-28 00:00
アルゼンチン金融情勢を受けて
鈴木 馨祐
GFJ政治家世話人・衆議院議員(自由民主党)
現職のマクリ大統領が大統領選挙の予備選で大敗し、世界の金融市場がアルゼンチンの国内政治情勢による大きなショックに見舞われました。アルゼンチン・ペソが急落し過去最安値を付けたのをはじめとして、アルゼンチン関連の金融商品の価格の非常に荒い動きが見られました。特定の国の状況について、コメントをする立場ではありませんが、今のグローバル化が進んだ状況の中で、日本の経済についても、世界経済、金融市場の動きと無縁ではいられません。今回はアルゼンチンにおいて通貨の急落が見られたわけですが、新興国をはじめとして、「リスクの芽」となるような「歪み」が生じていないか、常に状況を注視していくことが政府、特に通貨当局、金融当局には求められます。
一般論として言えることがあるとするならば、「市場が注目するような不均衡や経済状況がある場合にはその国の金融市場は発火点が低くなる」、「決して市場の力を侮ってはいけない」ということに尽きるのではないかと思われます。一旦市場に火がついて連鎖的な動きが始まり、暴走が止まらなくなれば、いくら国際的な連携体制が確立していたとしても、政府当局が短期的にできることには限界があります。市場が落ち着くまで、様々なものが巻き込まれ無傷ではいられなくなります。
また金融市場がある限り、いくら様々な規制をかけたとしても、レバレッジをゼロにすることはできませんし、何らかの形の負の連鎖が起こることは不可避です。もちろん、過去の反省を踏まえてその程度を抑制するような取り組みは20年前に比べればかなり進化しているわけですが、経済成長を考えれば、自由な金融市場の存在は不可欠であってこのリスクをゼロにすることは不可能ですし過度な規制をするべきでもありません。
だからこそ、アジア危機の後のチェンマイイニシアティブのように、未然に危機を防ぐことができるような多国間の枠組みを構築しておくことが必要であり、また各国においては、市場が注目するような不均衡を生み出さないような経済政策運営に努め、また経済の基盤を強化しておかねばならないのだと思います。アジア危機、ロシア危機直後に大蔵省に入省し、緊張感漂う国際局で大蔵省勤務をスタートし、9.11後の緊張感漂うアメリカで為替関連の業務に従事していた身として、今の国際担当の財務副大臣としての職責をしっかりと果してまいりたいと思います。
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