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2019-08-23 00:00
(連載2)政治主導の金融政策によるバブルの火種
中村 仁
元全国紙記者
日本では、安倍首相の再登場に際し、政府と日銀が一体となることを意味する共同声明(13年1月)が発表されました。「日銀は消費者物価の上昇率目標を2%とする。金融緩和を推進し、早期に物価目標を実現する。政府は成長力強化と持続可能な財政構造の確立に取り組む」を掲げました。
共同声明により、日銀の独立性・中立性はなくなりました。選挙で選ばれた政権・政府は、もともと日銀より上位に位置します。さらにこの共同声明によって、日銀は政権・政府からの中立性はほとんど失われました。国の基本政策に対する中央銀行の役割の後退をどう考えるのか、大きな課題です。
自由な市場が縮小、後退を続ける中で、頼りないエコノミスト、市場専門家が増えています。三菱UFJ銀行のシニアエコノミストと称する人が「パウエル議長には、先行きの方向感を示してほしい」(日経新聞7/25)と、語っていました。自分では判断できないから、政策当局者に見通しを教えてもらいたいという意味ですか。専門家なら、政策の方向性、市場の動向は自己責任で考えるべきものです。
もうひとつ。FRBの利下げを伝える新聞(日経)記事「トランプ大統領は失望したと、不満を表明し、金融市場も大幅な株安で応えた。追加緩和圧力は当面、弱まりそうにない」は、驚かされました。大統領が失望したというのはともかく、「金融市場も株安で応えた」とは、なんのことでしょう。金融政策の正常化が進まないので、「金融市場の将来は不安」というのがまともな判断です。「利下げが不十分だったので、市場が失望し、株安になった」というのは客観的な現象ではあっても、ジャーナリストならば、「金融政策の正常化の後退に失望した市場関係者も少なくない」と、書くべきところです。(おわり)
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