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2019-08-07 00:00
民意が反映されないロシアの政治
飯島 一孝
ジャーナリスト
プーチン露大統領の4期目の任期は2024年に切れるが、それ以降も大統領を続けて欲しいかどうか尋ねたところ、5人に2人が大統領任期継続を好ましくないと思っている。ロシアの民間世論調査機関「レバダセンター」が7月17〜24日の間、ロシア50地区で合計1,605人に世論調査した結果、分かった。プーチン氏への批判がこれまで最高だった2011〜2013年の状況に近づいていて、プーチン氏支持に黄信号が灯ったと言えそうだ。
プーチン氏は2000年5月に大統領に就任して以来、4期目に入り、2008〜2012年の首相職を除いて大統領職14年目に突入した。残る任期は2024年まで5年となった。旧ソ連を含め、スターリン以来の最長指導者である。これまでは80%前後の支持率を誇ってきたが、昨年の年金支払い年齢引き上げ提案以来、支持率に陰りが見えている。そんな中で、レバダセンターの厳しい民意が公表された。7月30日に公表された調査結果によると、プーチン氏が今期の任期終了の2024年以降も大統領に残ることを好ましくないと答えた人が38%になった。昨年の調査に比べ、11%ポイントも増えている。一方、任期終了後も大統領職に残るよう希望すると答えた人は54%だった。態度未定派は8%。任期継続に賛成しない理由としては、ロシアの経済事情がウクライナ紛争に対する西側の経済制裁で悪化、貧困が広がっていることと、年金改革への不満が尾を引いているためと見られる。
この調査結果について、レバダセンターのグドゥコフ代表は「反プーチン派がピークになった2011〜2013年の状況に近づいている。だが、彼らはプーチン氏に代わる大統領候補がいないことにイラついている」と分析している。2011年〜2013年には、下院議会の選挙結果への不満から反プーチン・デモが全国に広がり、プーチン政権が肝を冷やす事態になった。
プーチン氏の後任問題では政権側も頭を悩ませていて、再び大統領任期を延長するか、それとも大統領職に代わる制度の創設かを検討しているとされる。一方では、政権側は反プーチン派の台頭に神経を尖らせ、有権者の支持を集め始めた政治家を徹底的に潰す作戦を継続している。だが、いつまでもこうしたやり方を続けていては、ロシアの民意は反映されず、ひいては経済の発展もままならず、世界から取り残される最悪の事態も想定される。やはり、この国は「上からの革命」しかないのだろうか。
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