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2019-07-02 00:00
(連載1)選挙と通商交渉
緒方 林太郎
元衆議院議員
最初に、次の米大統領選挙に関して、私の考えを簡潔にまとめます。トランプ大統領は選挙という観点から日米通商交渉を見る。今後、その傾向は強まる。また、これまで共和党が勝ってきたテキサスが取れなくなったらもう終わり。しかし、現時点でテキサスは激戦区の見通し。なので、防衛装備品や牛肉などのテキサスに関連する物品で強烈に押し込んでくるはず、ということです。
折角なので、全米に目を広げてみたいと思います。以下のデータを見てください。2016年大統領選挙で激戦区だった州です。カッコ内は勝った候補、人数は選挙人の数です。【2016年大統領選挙で差が1%以下だった州】ミシガン(トランプ、16人)、ニュー・ハンプシャー(クリントン、4人)、ペンシルヴァニア(トランプ、20人)、ウィスコンシン(トランプ、10人)。【2016年大統領選挙で差が1-5%だった州】フロリダ(トランプ、29人)、ミネソタ(クリントン、10人)、ネバダ(クリントン、6人)、メイン全州区(クリントン、2人)、アリゾナ(トランプ、11人)、ノース・カロライナ(トランプ、15人)、コロラド(クリントン、9人)。【2016年大統領選挙で差が5-10%だった州】ジョージア(トランプ、16人)、バージニア(クリントン、13人)、オハイオ(トランプ、18人)、ニューメキシコ(クリントン、5人)、テキサス(トランプ、36人)、アイオワ(トランプ、6人)。
選挙という観点からは、トランプ大統領にとっても、民主党の候補にとってもこれらの州が最も重要になります。少し極端に言うと、これら以外の州は基本的にはもう眼中にないとすら言えるでしょう。例えば、(必ず民主党が勝つ)カリフォルニアやハワイでどんなに大統領選挙を頑張ってもエネルギーの無駄なのです。
趣味的に備忘録として、もう少し付け加えておきます。【2012年ロムニー候補よりも2016年トランプ候補の方が民主党候補との差を縮められた州(つまり、トレンドが「下げ」だった州)】テキサス、ジョージア、アリゾナ。基本的に、2016年大統領選挙は大半の州でトランプ候補が2012年のロムニー候補よりも伸ばしています。その中、勝ったとはいうものの下げのトレンドを示したこの3州はとても気になるでしょう。(つづく)
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