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2019-06-10 00:00
米国・トランプ政権の覇権姿勢と日本
真田 幸光
大学教員
「宇宙を制する者こそが世界を制する」と言う概念であるところの、「制宙権」を提示したのは、私ではなく、米国のNASAであります。そして、中国本土は、単独で宇宙開発に取り組み、それを「米国などの知的財産を侵害して進めている」と言うのが米国の現政権であるトランプ政権の対中意識ではないかと私は見ています。
否、そうした宇宙開発のハード面だけでなく、「宇宙を介したグローバル通信」の技術の最新の根源となる「5G」の開発に関しても、「中国本土は、ファーウェイなどを利用し、米国などから知的財産を侵害し、進めているのであり、もはや、勘弁ならん」と言うのが、トランプ閣下の気持ちであると私は見ています。そして、この視点に於いては、トランプ閣下は、日本を重用し、対中圧力をかけていくのではないかというのが私の見方です(但し、トランプ閣下は、全てのディールに於いて、日本の味方ではなく、例えば、防衛予算の拡大、自動車の対米輸出、農産品市場の開放などについては、日本に対して、厳しい要求を続けてくるでしょう。それこそが、トランプ閣下の言う、ディール上手なのでもありましょう)。
実際に、米国にトランプ政権が生まれて以降、こうした傾向は強まっています。特に最近の動向を見ていると、例えば、本年1月、トランプ政権がミサイル防衛計画(MDR)を発表した際、北朝鮮・中国本土・ロシアの大陸間弾道ミサイル(ICBM)の脅威を指摘した上で、MD(ミサイル防衛)強化の方針を明らかにしましたが、その後、日米両国政府は、「中露北朝鮮の脅威」と言う共通項を背景に、「米国本土防衛レーダー」(HDR)と呼ばれる新型レーダーを日本に配備する案を議論しています。この案は、敵国が米国本土やハワイ、米国の信託統治領であるグアムに向けてICBMを発射した際、これを発射地点の近くで追跡することを想定しており、日米両国は2023年にハワイでHDR運用をスタートさせ、日本には2025年までにはこのHDRを配備することを協議していると見られています。
このように、2017年にトランプ政権が発足して以降、「最新鋭艦の配備、F35ステルス戦闘機の機密提供、MD関連の協調、サイバー・宇宙空間での協力強化」など、防衛面での日米関係は強化されていると私は見ています。そして、最近、トランプ閣下は更に、これに台湾を加え、それをグアムでカバーし、これらをハワイでコントロールしようとしておりますし、もちろん、その背後にはワシントン、ペンタゴンが存在して、「米国の覇権をより強化する」という考えを持っていると私は見ます。
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