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2019-05-27 00:00
(連載1)財界人の警告「平成は敗北の時代」
中村 仁
元全国紙記者
新元号の令和ブームもいい加減にしてほしいですね。何かにつけて令和と関連づけて語るメディア、識者、政治家があまりにも多い。「天皇が代わられるたびに、時代の予想を超えて変わることがある」「令和は新しい時代を切り開く」などの声を聞きます。そんなに簡単に新しい時代が来るわけではないと思います。
そんな中で、経済同友会の前代表幹事、小林喜光氏は率直な警告を発しました。辛口で知られる同氏は「平成は敗北の時代であった。そう発言したら、各方面からお叱りをいただいた。負けを認めなければ、次の戦いに挑むこともできない」(5月15日、読売新聞「論点」)と述べています。私も同感です。平成元年(1989年)、世界の上位10社のうち7社を日本企業が占めていました。今や最高位の日本企業は40位のトヨタ。上位は米国のグーグル、アップル、中国のアリババといったIT企業が占めています。企業人として、これを敗北と言わず、何を敗北と言うのでしょうか。
企業ランキングの後退を広い視野で見つめると、こうなります。「グローバル化、デジタル化、ソーシャル化という世界的な大変革に乗り遅れてしまった。過去の成功体験の延長線上に未来はない。」「国民の74%が現状に満足している。財政では大きな負担を子孫に先送りしているのに、なぜ現状に満足できるのか。」同友会は自由に発言できる経済団体です。もっと多くの経済人から率直な声を多く聞きたいです。前経団連会長の榊原氏は、官邸の要求に従順で、「官邸の経済部長か」と言われました。経済人が政治に対して恐れを持っていては、新しい時代を切り開けません。財政膨張、異次元金融緩和が、衰退して瀕死状態の産業、企業(ゾンビ企業)の延命装置になり、企業の新陳代謝の障害となってきました。企業自体も甘え、自由な発想で自らを改革する努力を怠ってきたのです。
米中貿易戦争が激化し、トランプ大統領は中国に対する関税を大幅に引き上げ、中国も報復に出ています。これに対し、全米商工会議所会頭のドナヒュー氏は、遠慮なくトランプ政権を批判しています。「長期間にわたる関税の使用は支持しない。」「(輸入品にかかる)関税は米企業が米政府に払うことになる。」日本の経済人も政治にいつまでも頭を下げているようではいけません。(つづく)
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