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2019-04-17 00:00
(連載2)韓国経済の何が問題なのか
岡本 裕明
海外事業経営者
もう一つ、韓国経済について根本的な問題点を指摘します。これは、財閥経済が生み出す国民の分断化であります。韓国では、現代にしては珍しい「資本家と労働者の闘争」が起きています。ストライキが頻繁に起きるのは好例ですが、国民の大多数を占める労働者の地位を守るため、政権は左寄りにならざるを得ません。同国内には「財閥がもたらす社会問題」は十分認識されており、財閥の一つだった大宇も解体されましたが、それでも韓国経済全体のうち4分の3を残りの財閥が生み出している歪みがあります。このため、若者の財閥就職志向が強まり、異様に子供教育に熱心な家庭が多く存在しているのは、ご承知の通りです。子供がサムスンに入社できれば親のみならず親族一族が祝うほどとされ、かつての中国の科挙試験に合格するのと同じぐらいの重みがあるのか、と疑うほどであります。
財閥系に入れる若者はごく一部であり、残った若者が失業し、将来展望が出来なくなるケースがしばしば見られるのは、こうした理由によります。海外に渡った韓国人が異様に頑張るのは、故郷で成し得なかった成功を目指すためであり、かつての在日韓国人もそうですし、現在の北米在住の韓国人にビジネス成功者が目立つのは、そのあたりの背景もあるのでしょう。今般、大韓航空を抱える韓進グループの会長が亡くなり、グループ運営に大きな懸念があるほか、アクティビストが同社株を買い上げ、グループへの揺さぶりをかけています。財閥解体まで進めるのか、注目しています。
もう一点、韓国経済の特徴で日本の旧財閥と一線を画しているのは、財閥に金融部門がない点です。(韓国政府がそれを是としなかった経緯があります。)韓国金融の足腰は十分ではない中、外資の影響が大きく、このあたりに経済が筋肉質になりにくい、もう一つの問題が隠されているのかもしれません。
こうした状態ですので、個人的には将来、韓国と北朝鮮の経済関係が構築された際、韓国には経済的メリットよりも厳しい時期が長くなる公算はあるかもしれない、と思っています。(おわり)
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