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2019-04-05 00:00
経済発展のジレンマ、日韓の場合には
真田 幸光
大学教員
私は、「日本のような先進国は、先進国であるが故に、消費財が国民に行き渡っている、社会インフラがきちんと整備されている、よって、まだまだ消費財が行き渡っておらず、インフラが整備されていない新興国に比べれば、消費需要、インフラ開発需要が弱く、この結果、経済成長率は’安定成長’という名前の低成長化になる。更に、先進国化の過程で、少子化が進展すれば、人口減少傾向も顕在化し、より一層、安定成長化に向かい、場合によっては、それが不況に繋がる可能性もある。」と考えています。そして、そうした不況が日本では顕在化し、今、そこからの脱却を目指して、企業の努力と共に政策展開もなされています。
ところで、こうした中、韓国の主要紙である朝鮮日報は、「韓国が“失われた20年”と呼ばれる日本の長期不況と同じ道を歩んでいる。」との報道をしています。当該記事(「消費減らす韓国の50-60代、日本の長期不況と酷似」、2018年7月20日、電子版)では、「日本の衣料国内販売額は1991年に15兆3,000億円でピークを迎えた後は減少に転じ、現在はピーク時の3分の2ほどとなっている。韓国は昨年の衣類・バッグなどファッション商品の消費額が前年対比1.7%減の42兆4,758億ウォンで、2008年の経済危機以降初めて減少に転じている。日本の自動車国内販売台数は1990年の777万台を最高として、この28年間その実績が破られていない。韓国でも2015年に183万台の国内販売を記録した後、179万台まで落ち込み、2018年も2017年並みの水準で推移している。韓国の民間消費の伸びは2008年の経済危機以降、急激に鈍化したまま回復していない。年平均伸び率は2000~2008年の4.3%から2008年から2017年には2.2%に低下している。こうした消費の低迷は高齢化が主因である。日本は主要品目の販売量が減少するや、1994年に高齢化社会(人口の14%が65歳以上)に入った。韓国も昨年から高齢化社会を迎えた。韓国の場合、60歳以上の高齢者の人口構成比が20年前より倍増したのに対し、60歳以上による消費は大幅に減少した。消費を減らす時期も60代から50代へと10年早まった。」などという記事を出し、韓国の長期不況が日本と同様に広がることを懸念しています。
しかし、ここで例えば、これを打破しようと移民を受け入れるとしてみましょう。朝鮮民族国家として、移民受け入れの功罪を考えると、簡単に移民受け入れによる人口増加も叶わないのではないでしょうか。また、少子化対策の結果として、出産が増加するといった状況も進展しておらず、短期間、そして簡単に問題は解決しそうにないと思われます。
こうしたことから、私は韓国も日本も、「一人当たりの労働生産性を高め、一人の人が量ではなく質でより大きな働きをし、その結果、お給料を増加させ、それによって、消費も増加させて、経済成長力を強める。」といった方向に、例え、それが辛くとも、転換させていく、という政策努力が重要であると考えています。そうした意味で、日本政府が示している、「働き方改革」や「生産性改革」という方向性は正しいのではないかと私は考えており、チェックポイントは、その中身が、実を伴うようなものとなってくるのかにあると考えています。
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