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2019-03-08 00:00
(連載2)米国と中東情勢について
真田 幸光
大学教員
「そして今、米軍がそのアフガニスタンから撤退しようとしている。中国本土はこれまで、長年に亘り、アフガニスタンにとって最大の貿易相手国以上の存在であり、昨年8月以来、中国本土は、アフガニスタンの安全保障面で協力していて、中国本土との国境に近いアフガニスタン北東のワハーン渓谷に軍事訓練所を設営し、そこに中国本土軍の兵士も駐屯していると見られている。この地域は新疆ウィグル自治区とも近く、中国本土政府にとってことの他、重要な地域であり、そこに住むウィグルのムスリム少数民族に対して、中国本土政府は、弾圧を続けているが、中国本土政府は、この地域の警察力を増強し、人民に対する監視所も設営し、既に百万人のウィグル人が中国本土政府の強制収容所に入れられ、洗脳教育を受けていると言われ、人権侵害問題として国際的に批判されていると言う地域である。中国本土政府としては、中央アジアからの過激派イスラムが新疆に影響力を波及させることを警戒し、アフガニスタンと連携していると見られるのである。更に、中国本土政府は、パキスタンとアフガニスタンとの間の和解にも力を入れ始めていて、昨年12月中旬、王毅外相は、パキスタン、アフガンの外相との三者会談を行っている。中国本土政府はここ数年来、外交面からこの地域での和平推進の仲介役に努めて来ている。
そして、中国本土政府は、更に、イスラエルとパレスチナとの和平への努力、ミャンマーとバングラデシュとの和平への努力、シリア内戦当事者間の和平への努力にも注力しており、この地域での中国本土の影響力の拡大は顕在化してきている。そして、中国本土政府は、習近平国家主席自らが推進する一帯一路構想の具現化の為にも、中国本土・パキスタン経済回廊(CPEC)、即ち、中国本土とインド洋をパキスタン経由で結ぶ回廊の拡充を図り、高速道路建設、鉄道開設なども進めている。こうした中での中国本土とアフガンの接近は、イラン包囲網の確立に邁進するトランプ大統領にとって歓迎すべきことであると見られ、これに反対したマティス国防長官は既にその職を解かれた。」とも見られるのであります。
しかし、こうした見方に基づけば、「米軍のアフガニスタン、シリアなどからの撤退により、中国本土が強大になることを世界に示すことを意味する。」とも見られ、それは、米中のある種の妥協による、「二大国家による世界支配体制、G2時代の到来」すらイメージさせるものであります。
日本としては、こうした米国の動きを如何に評価するのか、その見方を固めていく必要があると思います。因みに、ドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領は、米中・二大国家による世界支配体制は不健全とし、その対抗勢力としての欧州連合体制の更なる確立、推進は不可欠として、これを図ろうとしていると見られます。こうした国際情勢下にあっては、日本も日本独自の国家戦略姿勢を、ここに、確立すべきではないかと、私は考えています。(おわり)
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