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2019-02-25 00:00
独仏連携について
真田 幸光
大学教員
私は、米中関係の改善がなかなか見られず、世界経済に与える影響は当然に大きいと見ています。また、米国トランプ政権が進める、「イラン包囲網」の動きやこれに影響を持つシリア情勢、トルコやサウジアラビアの動向などの中東情勢もやはり、世界経済に大きな影響を与えると考えています。そして、混沌と見られる「ブレグジット」の行方、「黄色いベスト革命」の動向によって揺さぶられるフランスのマクロン政権の動向、更に権力掌握力を弱めるドイツのメルケル首相とドイツの動向などを考えると、EU崩壊リスクとその延長線上のユーロの混乱などが、世界的な経済混乱を誘発する危険性もあると私は考えています。
こうした中、その独仏両国では、「独仏友好条約」をもとに改めて新連携が推進されようとしています。即ち、「独仏が互いに異なるが故に、独仏関係は強くなることが必要である。」との認識の下、「独仏新友好条約締結は象徴的な意味に留まってはならない。」との意気込みを持ち、新連携が推進されようとしているのであります。これまで、EUを主導してきた独仏の混乱は不安材料となりますが、独仏の連携強化は、再び、EUを強くするサポート材料になり、そうした意味で、独仏友好関係の深化は、ヨーロッパ全体にとって好材料になると見て良いと考えます。即ち、「通貨の統一から経済の統一、そして税制を統一しつつ、政治を統一し、戦争のないヨーロッパを作る。」という崇高なる理念を持って進められてきた欧州連合は今、危機にあり、英独仏の混乱に加え、例えば、「財政問題で責められるイタリア政府はEU政府への不満を募らせている。」、「ハンガリー政府は、報道の自由を制限している。」、「ポーランドでは、司法権の独立が危機に晒されている。」そして、EU全体では、「難民受け入れで、EU加盟国間でも意見の対立が見られる。」という中、ブレグジットをむしろ歓迎する勢力が、独仏も含めて、EU加盟国の中で拡大しつつあるとの見方も出ています。
こうした中にあっての「独仏友好新条約締結」には大いに期待したいものであります。そして、マクロン大統領とメルケル首相は、ドイツのアーヘン市で、新友好条約に実際に調印しました。これはまた、独仏のEUにおける復権を導くのみならず、中国本土、ロシア、米国に対抗して行くための、ヨーロッパとしての連携強化を導くものとしても期待されているのであります。
今後の独仏の具体的な連携強化の動きに大いに注目、期待したいものであります。但し、独仏連携に関しては、「ロシア」との関係について、メルケル首相とマクロン大統領の間に考え方の違いがある点は、留意しておきたいと思います。
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